本エントリーは
stod phyogs 2016年11月29日火曜日 panpanya 『動物たち』
からの移籍です。日付は初出と同じです。
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公称11月30日発売ですが、1日早く手に入れました。
・panpanya (2016.12) 『動物たち』. 180pp. 白泉社, 東京.
装丁:panpanya
ページ数はちょっと減って180ページだが、カラーが16ページもあるので満足です。
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今回も登場人物は約4人。「おかっぱの女の子」と「タコ男」と犬の「レオナルド」(そのヴァリエーションも含む)と「ロングヘアーの女の子」。
それにしてもそのロングヘアーの子が「部長」役っての無理すぎないか?タコ男も同じシリーズ中で、不動産屋、引越し屋、大家と三役で大活躍。
この「少数精鋭?」にこだわる理由はなんだろう?
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異様で夢みたいな話はちょっと控えめで、散歩エッセイみたいなのが多かった。それもまたよし。
白眉はやはり「猯(まみ)」、「狢(むじな)」、「示談の手引き」の動物三部作。動物といっても、どれも似たようないい加減な絵。表紙の動物たちですね。
扉とカバーを剥がしたところには、そのいい加減な絵の「動物」(これは「猯」かな?)を中途半端にリアル化した絵があって大笑い。
しかし、どうでもいいが、Google IMEでは「まみ」で「猯」が一発で出たぞ。どうなってんだ?
なお、MS IMEでは本字の「貒」の方が一発で出ました。
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カバーをはがすと、その地は都会の坂道によくある、○○の滑り止が刻印してあるコンクリート路面。この質感がザラザラしていて素晴らしい。コンクリート路面そのものだ!ずーっと触っていたい。
いまや新刊マンガのほとんどはシュリンク(薄いビニールです)がかけてあるので、これは買わないと絶対味わえない幸せ。
この造本だけでも、ものすごく手間と金がかかっているのですよ。だからこれで980円+税は絶対に高くない。買って、この感触をぜひ味わっていただきたい。
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すごい書き込みの背景も健在。特に「猯」のタイトル画は素晴らしいですね。
『動物たち』 pp.78-79.
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ようやく気づいたんだが、主人公のおかっぱの女の子はなんか、先日完結したばかりの
・石黒正数 (2005.5-2016.12) 「それでも町は廻っている」(通称「それ町」)
の紺先輩と似ている。
石黒正数 (2007.9) 『それでも町は廻っている 3』(YKコミックス827). p.44. 少年画報社, 東京.
孤独でクールなところが特に。どちらも最近のお気に入りです。
石黒正数もそのうち取り上げてみよう。
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『動物たち』はまだ1回しか読んでないけど、これから何度でもなんどでも楽しめる本。ぜひ買ってください←自主的回し者。
さて、次は『10分後にうんこが出ます』を買ってこよう。今月は楽しい月末だ。
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(追記)@2016/11/30
panpanyaについては
2016年8月9日火曜日 panpanya 3連発
でも書いていますので、こちらもどうぞ。