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2017年11月1日水曜日

国立国会図書館 「挿絵の世界」 展

に行ってきました。

・国立国会図書館 > 新着情報 > イベント・展示会情報 > 展示会 > 2017年10月10日(火)~2017年11月11日(土) 東京本館/2017年11月17日(金)~2017年12月9日(土) 関西館 企画展示「挿絵の世界」(as of 2017/10/31)
http://www.ndl.go.jp/jp/event/exhibitions/exhibition2017.html

東京会場
日時 : 2017年 10月10日(火) ~11月11日(土) 日曜日、10月18日(水・資料整理休館日)、11月3日(金・祝)を除く。10:00~19:00(土曜日は18:00まで) ※一部の資料の展示替え、展示箇所替えを行います。
会場 : 国立国会図書館 東京本館 新館1階 展示室 ※展示会の観覧のみの場合、入館手続きは不要です。図書館資料利用中の展示会観覧はできませんので、退館手続きを済ませてから展示会場にお入りください。※満18歳未満の方もご覧いただけます。
参加費 : 無料
お問い合わせ先 : 国立国会図書館 利用者サービス部 サービス企画課 展示企画係 03-3506-5260(直通) tenji-kikaku@ndl.go.jp

関西会場
日時 : 2017年 11月17日(金) ~12月9日(土) 日曜日・11月23日(木・祝)を除く。10:00~18:00 (ただし11月19日(日)のみ10:00~16:00開催。) ※『東京日日新聞大錦』、『新聞附録東錦繪』、『水野年方下圖』の3点は複製パネルでの展示です。
会場 : 国立国会図書館 関西館 地下1階 大会議室 ※展示会の観覧のみの場合、入館手続きは不要です。図書館資料利用中の展示会観覧はできませんので、退館手続きを済ませてから展示会場にお入りください。 ※満18歳未満の方もご覧いただけます。
参加費 : 無料
お問い合わせ先 : 国立国会図書館 関西館 総務課 0774-98-1224(直通)


同展チラシ表


同展チラシ裏

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今年の夏は、

2017年9月16日土曜日 月岡芳年ツアー2017(3) 太田記念美術館 「月岡芳年 月百姿」 展
2017年8月19日土曜日 月岡芳年ツアー2017(2) 太田記念美術館 「月岡芳年 妖怪百物語」 展
2017年8月5日土曜日 月岡芳年ツアー2017(1) 横浜歴史博物館「歴史×妖×芳年」展

と、幕末~明治前期の最後の浮世絵師・月岡芳年に、ずいぶんとつき合いました。

この展覧会は、その芳年や落合芳幾(1833-1904、この人も歌川国芳の弟子)から始まります。つまり浮世絵/錦絵が新聞に取り入れられ、そして滅びていく過程です。

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これは図録代わりのパンフレット。会場で無料配布されています。

・国立国会図書館・編 (2017.10) 『挿絵の世界』(国立国会図書館 平成29年度企画展示). 12pp. 国立国会図書館, 東京.


同書, p.1

最初の展示は、芳年、芳幾による大判の新聞錦絵。浮世絵/錦絵の最後のきらめきの作品です。

その後、錦絵が成立しなくなると、浮世絵師たちは新聞・本の挿絵に活路を見出していきます。

水野年方(1866-1908)は芳年の弟子。新聞小説の浮世絵風挿絵画を確立した人で、名前を知らなくとも教科書や歴史の本などで、誰しも見覚えがあるんではないだろうか。


同書, pp.2-3

年方の流派は現代にも生き続けており、美人挿絵で一世を風靡した岩田専太郎(1901-74)などの「色っぽい女性画」は年方の流れをくむもの。

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明治も中期になると、洋画技術もだいぶ普及。小説の挿絵にもクロッキー/スケッチ風の挿絵が現れるが、当初は不人気で、浮世絵師が描き直しているのがおもしろい。

しかし、挿絵の世界でも、徐々に洋画技術が普及。そしてそれは大正初期のArt Nouveau(アール・ヌーヴォー)、特にAubrey Vincent Beardsley(1872-98)の挿絵が入ってきたことで決定的になる。

日本の挿絵にも、Beasleyのそっくり絵が多数現れている。

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かくして浮世絵派は、挿絵の世界でも主役ではなくなっていくのだが、その流れは決して消えることはなかった。

大正~昭和初期の人気画家(と言うより、はっきりイラストレーターと言える人)・高畠華宵(1888-1966)には、洋風の影響は当然ありながらも、浮世絵の技法が色濃く残っている。

伊藤彦造(1904-2004)ともなると、はっきり浮世絵師の直系である。彦造の展示挿絵は荒々しく、また色もまっ黒だったなあ。

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何度か書いているが、この流れはマンガ家の絵にも受け継がれ、特に貸本マンガの世界で生き続けてきた。橋本将治、平田弘史などがその流れをくむ人たち。

花輪和一、丸尾末広などのガロ系マンガ家も、Disney~手塚治虫系の絵とは別で、挿絵画家の影響が強い人たちだ。

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昭和に入り、挿絵の世界に中原淳一、蕗谷虹児、松本かつぢ、らが現れてくると、自分にも馴染みのある世界になってくる。

しかし、この展覧会で自分が一番知りたかったのは、今まで述べた、浮世絵師たちの滅びの姿だ。今まで知らなかったそのミッシング・リンクが、だいぶわかってきた。その意味で非常にいい展覧会だったと思う。

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もちろん、挿絵の世界はその後も大きな発展を遂げる。

1940年代以降、山川惣治、小松崎茂らが出現するると、すっかり挿絵の世界も濃厚な洋画の世界になる。

こちらも、もちろんマンガの世界に影響を与えている。通常、「どっから出てきた絵なのか、わからない」と評される諸星大二郎などは、この系統と見ていいだろう。

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そして、真鍋博、高荷義之らのSF挿絵。宇野亜喜良、灘本唯人、和田誠らの洒脱な挿絵。より一層モダンな河村要助、峰岸達、浅賀行雄らになると、もう今もお馴染みの挿絵だ。

ひとつ不思議なのは、山藤章二の展示が一つもなかったこと。でもなんとなくその理由がわかる。山藤挿絵の特徴は、絵の中に文章が入り、作家とinterplayを繰り広げることに特徴がある。これはもう挿絵の域を超えている、という判断だったのかもしれない。

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最後にラノベ・イラストの世界だ。もうこのへんは、自分には馴染みがないのだが、色々勉強させてもらった。

しかし、このあたりの絵は、源流になっている、吾妻ひでおのロリ絵、東映動画に始まる宮﨑駿のジブリ絵なども考慮した上で、見ていく必要がある。

挿絵の流れは、挿絵だけで完結するものではない。挿絵という切り口で、日本の絵(マンガやアニメなども含む)の大きな流れをつかんでいくのも、この展覧会の楽しみ方だ。

その意味で、非常に面白い展覧会でした。

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挿絵というものは、原画がもはや存在しないケースが多く、展示はみな印刷物だ。絵が小さい。大規模な展覧会など不可能なのだ。

小規模な展覧会なのは仕方ない。むしろ、これこそ国会図書館らしい展覧会といえる。

無料なのに、見応えたっぷりでとても面白い。ぜひ行ってみてください。もし東京展を見逃しても、「けいはんな」の関西館まで行って見てくる価値は充分あると思います。

2017年10月7日土曜日

千葉市美術館「鈴木春信」展

に行ってきました。

・千葉市美術館 Chiba City Museum of Art > ボストン美術館浮世絵名品展 鈴木春信 会期 2017年9月6日(水)~ 10月23日(月)(as of 2017/10/07)
http://www.ccma-net.jp/exhibition_end/2017/0906/0906.html

ボストン美術館浮世絵名品展 鈴木春信
会期 : 2017年9月6日(水)~ 10月23日(月)
会場 : 千葉市美術館
住所 : 〒260-8733 千葉県千葉市中央区中央3-10-8
tel : 043-221-2311
fax : 043-221-2316
開館時間 : 午前10時-午後6時 (入場は午後5時30分まで)、金・土曜日は、午後8時まで開館 (入場は午後7時30分まで)
休館日 : 毎月第1月曜日(祝日の場合は翌日)
観覧料 : 一般1,200円(960円)、大学生700円(560円)、小・中学生、高校生無料 ※( )内は前売券、団体20名以上、千葉市内在住65歳以上の方の料金 ※障害者手帳をお持ちの方とその介護者1名は無料 ※10月18日(水)は「市民の日」につき観覧無料
主催 : 千葉市美術館、ボストン美術館、日本経済新聞社
後援 : アメリカ大使館
特別協賛 : フィデリティ投信
協賛 : 大伸社
協力 : 日本航空、高久国際奨学財団

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同展パンフレット, 表


同展パンフレット, 裏

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これは図録

・田辺昌子+セーラ・E・トンプソン・監修 (2017) 『ボストン美術館浮世絵名品展 鈴木春信』. 263pp. 日本経済新聞社, 東京.


デザイン : 川添英昭

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鈴木春信(1725?-70)は、江戸中期の浮世絵師。浮世絵が2~3色刷の「紅絵」から多色刷の「錦絵」に移り変わる1760年代に活躍しました。

パンフレット表、図録表紙は、春信の代表作

鈴木春信 (1766) 桃の小枝を折り取る男女.

から。

お人形さんのように定型化された(当時の絵は皆そうだが)切れ長目、おちょぼ口、細身の体躯が特長。他の絵師もスタイルは同じだが、筆の滑らかさ、体の線の柔らかさが、春信は抜きん出ている。

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画題は女性が多いが、春信の絵では、男性も同じ筆致で描かれる。とても艶かしい男になっている。中性的だ。

だから、派手に着飾った若衆(わかしゅ、男色で受け担当の少年)や色子(美少年男娼)を描かせると絶品。


鈴木春信 (1766-67) 見立三夕「西行法師」.
図録, p.112.

これは一見女性に見えるが、二人とも色子だそうです。

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この時代の浮世絵はサイズが小さく、彫り・摺りの技術もまだ発展途上。しかし紙はかなり上質なものが使われている。部数もまだ少なく、いまだ好事家が主対象だったわけ。

そういった好事家が私的に浮世絵を作らせて、会で集まり互いに交換していたのが「絵暦」。この絵暦交換会(大小会)が浮世絵を発展させたと言ってもいい。

絵の中に「大の月」あるいは「小の月」を判じ物のように折り込んで入れるのが特徴だ。ちょっと見には全然わからないものも多く、クイズ的な楽しみ方もしていたと思われる。

採算を度外視して美しい「絵暦」を競ったことから、浮世絵が単調な「紅絵」から「錦絵」に急速に発展していった。

春信の浮世絵も、後期になるほどどんどんカラフルになっていくので、その急速な発展ぶりは目を見張る。

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鈴木春信 (1765) 夕立.
図録, p.66

止まったような絵が多い春信だが、これは珍しく動きのある絵だ。「あらまあ」という顔、おもしろい手・腕のポーズ、下駄が外れて蹴上げた右足、風になびく袖、くねる体躯、どれを取っても絶品である。

雨風の描き方などは、北斎以降の浮世絵にくらべるとまだまだ稚拙だが、その分かえっておもしろい。

なお、これも絵暦で、明和二年の大の月が干し物に隠されている。

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横浜、原宿で開催された「月岡芳年」展では、墨を付けないで摺り、紙の表面に凹凸や光沢を出す「空摺り」や「正面摺り」の手法に驚きました。その話はこちらでどうぞ↓

2017年9月16日土曜日 月岡芳年ツアー2017(3) 太田記念美術館 「月岡芳年 月百姿」 展
2017年8月19日土曜日 月岡芳年ツアー2017(2) 太田記念美術館 「月岡芳年 妖怪百物語」 展
2017年8月5日土曜日 月岡芳年ツアー2017(1) 横浜歴史博物館「歴史×妖×芳年」展

これは、浮世絵後期に生み出された手法だとばかり思い込んでいたのですが、春信の時代にすでに発明されてたことを知りました。

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鈴木春信 (1766-67) 鷺娘.
図録, p.103.

娘の白地の着物に、空摺りで細かく模様が浮き出ています。図録では、珍しくこの空摺りがよく出ているのですが、スキャン画像ではうまく出なかった。

また、娘の帽子や積もった雪は、これも墨を付けず凹版で摺って、エッジを凹ませてあります。つまり丸みを帯びた図形の内部がもっこり浮き出るわけです。これは「きめ出し」という手法。

これも是非展覧会で現物を見てください。感動しますよ。

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もう一つ「きめ出し」の例を。


鈴木春信 (1767-68) 女三宮と猫.
図録, p.126

ここでは着物の輪郭や猫の輪郭に強く「きめ出し」が使われている。これは図録ですらよく出ているが、現物はもっとよい。

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春信は晩年になると、突如、現実の町娘を題材に美人画を描きはじめる。中高年になって、突如アイドルに入れ込みだすオッサンみたいで微笑ましい。まあ、本人の趣味というよりは、版元のアイディアではないかと思われるが。


鈴木春信 (ca.1769) 浮世美人寄花(はなによす) 笠森の婦人 卯花(うのはな).
図録, p.177.

これは谷中・笠森稲荷境内の水茶屋・鍵屋の看板娘「お仙」。右手の蔦紋小袖がお仙だ。柳腰のいい女。当時、江戸のアイドル的な存在で、この浮世絵もブロマイドとして扱われていたらしい。

同じ頃に、浅草寺奥山の楊枝屋・本柳屋の「お藤」、浅草・二十軒茶屋の水茶屋・蔦屋の「およし」と並んで、明和の三美人と呼ばれていたそうだ。

その中でもこの「お仙」が一番人気で、春信は「お仙」を何度も描いている。

もっとも、この頃の浮世絵は顔が皆同じなので、袖の紋などで判別するより他ないのだが、それでも体躯の優美なカーブなどで「お仙」らしさが十分表現できていたのだろう(本当にそうかどうかは、当時の人じゃないとわかんないけど)。

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その後、役者絵が流行するようになると、徐々に役者の顔を似顔絵で描くようになってくる。特異な絵師・写楽の登場で、デフォルメともいえる強烈な似顔絵が出てきて、ますます浮世絵はおもしろくなっていくのだ。

春信の発展形である細面・柳腰の美人画は、喜多川歌麿で完成を見る。歌麿の美人画は頭身が高くなり、八頭身美人。洗練されすぎていて、手が届かない感じ。まさに「美人画」だ。

それに比べると、春信の美人画はちょっとかわいらしいし、やはりお人形さんっぽい。より親しみやすい絵だ。

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しかしこうして見ると、春信の絵、というか当時の浮世絵には、中国の美人画の影響を非常に強く感じる。柔らかな体躯の描き方は、まさに中国の手法だ。

またサイズが小さいこともあり、イラン~インドのミニアチュールの雰囲気もある。まあ、ミニアチュール自体、中国絵画が移植されて発達したものだから、似ていても不思議ではないが。

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それにしても、ボストン美術館の浮世絵コレクション恐るべしだ。世界でもボストンにしかない浮世絵が、山のようにあるという。

今回の春信作品も、ボストンだけの所蔵品がいくつも来ている。大規模な春信展は15年ぶりだというし、浮世絵ファンは無理してでも見た方がいいですよ。

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なお、この「春信展」、千葉のあとは1年かけて、名古屋→大阪→福岡と巡回されます。そちら方面の方々もお見逃しなく。

2017/09/06~10/23 千葉・千葉市美術館
2017/11/03~2018/01/21 名古屋・名古屋ボストン美術館
2018/04/24~06/24 大阪・あべのハルカス美術館
2018/07/07~08/26 福岡・福岡市博物館

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「春信展」と並行して、千葉市美術館の所蔵品で「江戸美術の革命 春信の時代」展も開催されていた。

色々と面白かったが、中でも曾我蕭白の(ca.1751~64)「獅子虎図」、(ca.1758~59)「寿老人・鹿・鶴図」を見れたのがよかった。蕭白お得意の「困り顔の虎」、いつ見ても笑えるし、いいなあ。迫力も充分。

参考:
・だまけん/だまけん文化センター 絵画と寺社巡り > 曽我蕭白 獅子虎図屏風(2016/10/04)
http://5dama2.blog96.fc2.com/blog-entry-247.html

2017年9月16日土曜日

月岡芳年ツアー2017(3) 太田記念美術館 「月岡芳年 月百姿」 展

芳年ツアー第3弾。太田記念美術館の後期。

今年はもうないかな。でも、芳年作品はまだまだあるので、展覧会があれば、少し遠出してでも行くぞ。

しかし、やっぱり札幌の芳年展に行けなかったのは、かえすがえすも心残り。

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・太田記念美術館 > 展覧会 > 年間スケジュール > 特別展 月岡芳年 月百姿(as of 2017/06/28)
http://www.ukiyoe-ota-muse.jp/exhibition/%E6%9C%88%E5%B2%A1%E8%8A%B3%E5%B9%B4%E3%80%80%E6%9C%88%E7%99%BE%E5%A7%BF

会期 : 2017年9月1日(金)~9月24日(日)(9月4、11、19日は休館します)
開館時間 : 午前10時30分~午後5時30分(入館は午後5時まで)
会場 : 太田記念美術館 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前1-10-10
TEL : 03-5777-8600(ハローダイヤル)
入館料 : 一般 1000円、大高生※学生証をご提示ください。 700円、中学生以下※中学生は学生証(生徒手帳)をご提示ください。 無料(リピーター割引 「月岡芳年 妖怪百物語」および「月岡芳年 月百姿」両展覧会の会期中2回目以降ご鑑賞の方は、半券のご提示にて200円割引いたします。※チケット購入時に半券をご提示下さい。他の割引との併用はできません。

しまった!前回の半券忘れた。まあ前回、横浜の半券で割引してもらったからいいか。

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同展パンフレット, p.4


同展パンフレット, p.3

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「月百姿」は、芳年晩年の「月」をテーマにしたシリーズ。明治中期の作品だ。その百点を全点展示。見応えあったなあ。

晩年の筆致はかなり硬質になっており、闊達なところに乏しく、「硬すぎる」と感じるかもしれないが、その繊細かつ細かい描写を見ていくのが今回の見所だ。

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「月」というと、たいていは満月。この「月百姿」も大半は満月なのだが、三日月、上弦、下弦、二十三夜月、叢雲に隠れる月、とヴァリエーションもかなりあり、そのリズムを楽しむこともできる。

果ては、月を描かず、それを眺める人物で表現した絵、あるいは月の気配すらないものまである。これはもう、「このお話知ってるでしょ」という鑑賞者との間の暗黙の了解で成り立っているのだが、当時流行りのお話がネタ元なので、現代人の我々には解説がないとなかなか厳しい。明治人に生まれ変わるVirtual Realityって作れないもんか・・・。

また、浮世絵/錦絵最末期の彫り、摺り技術の到達点も見どころだ。本当に唸らされる。惜しい文化を亡くした。

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これが図録。今回も、一般書籍として書店でも販売されています。

・日野原健司・著, 太田記念美術館・監修 (2017.8) 『月岡芳年 月百姿』. 135pp. 青幻舎, 東京.


デザイン : 原条令子

「月」がテーマなのに、月を思わせる円を青で塗ったデザインが大胆だ。

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気に入った作品、あるいは気になったものをいくつか。


月岡芳年 (1886.9) はかなしや波の下にも入ぬべしつきの都の人や見るとて 有子
同書, p.14

身投げの直前に琵琶を弾く有子(ありこ)。『源平盛衰記』より。

ここでは月本体は描かれておらず、水面に反射する光で月の存在を表現しています。日本ならではの繊細な表現。

「月百姿」シリーズでは、空摺り、正面摺りの手法がふんだんに使われています。紙の裏から版木を当て、墨を付けずに摺り、画面に凹凸や部分的に光沢を出す手法です。たいていは、白、黒などの単色ベタ塗り面上に、柄を浮かび上がらせたり、光沢模様を出すために使われています。

このシリーズでは、白の四角に囲まれた題字にはすべて空摺りが入っていました。また、白地~薄色の着物にはたいてい空摺りで柄が浮かんでいましたね。

見渡したところ、しゃがんだり横から眺めたりして、空摺り、正面摺りを観察していたのは私だけだった。もったいない。空摺り、正面摺りは、図録や画集ではほとんど出ないので、現物を見た人だけが楽しめる技法なのに・・・。

さて、この絵では、空摺りが使われているのは、着物の柄ではなく、なんと水面の月光反射。画面下から上に伸びていく月光反射は上部では白い背景に消えていくのですが、実は画面の凹凸でその連続が見れるのです。これは是非、現物を見てもらうしかない。

なお本書では、正面摺りの解説が、p.64、p.88、p.106にあります。

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月岡芳年 (1886.3) 源氏夕顔巻
同書, p.42

薄墨で表現された夕顔の幽霊。色、線の繊細さ、素晴らしい。ボサボサの髪もまた哀れを誘う。前景に、実際の夕顔を配する構成も粋だ。

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月岡芳年 (1889) 雨中月 児島高徳
同書, p.72

南北朝時代、南朝の武将・児島高徳が後醍醐天皇の無事を祈る姿。

ここで注目は雨の表現。これは白い墨で刷ってあるのだ。こういう白墨を使った技法ははじめて見た。この技術、どの程度広まっていたのだろうか。興味あるなあ。

いずれにしろ、その後まもなく、この技法含め、浮世絵/錦絵まるごと滅びるわけですが・・・。

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月岡芳年 (1886.2) 烟中月
同書, p.90

明治時代とは思えない、モダンでスタイリッシュな画面処理だ。右側の炎の部分には、なにか英文コピーを入れたくなるではないか。芳年は、20世紀の広告美術を先取りしていたのかもしれない。

対面の屋根に、鏡写しのように同じポーズの人物をシルエットで置くアイディアもクールだ。

あと、炎の黄色。この鮮やかさは、スキャン画像や図録、画集ではうまく出ない。これも現物を見た人だけが楽しめる特権。

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月岡芳年 (1886.2) 月夜釜 小鮒の源吾 嶋矢伴蔵
同書, p.118

石川五右衛門の子分二人。見張り番が入ったままの大釜を盗んでしまい、中から声が聞こえるのを不審がっている様子。これも解説なしでは、なんだかさっぱりわかりませんね。でも、絵だけでも楽しめる一枚。

以前、

2017年9月3日日曜日 中谷伸生 『耳鳥斎アーカイヴズ』

でも、大坂の戯画「鳥羽絵」にちょっとだけ触れましたが、この絵はその鳥羽絵の影響というか、ちょっとパロってみました、という珍しい絵だ。鳥羽絵の特長は、異様に細長い腕と脚。

芳年は、こういうマンガ的な絵も描いていたんだなあ。もうちょっと、この路線も見てみたかった。

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過去3回の展覧会で、だいぶ芳年とお近づきになれたような気がする。

しかしまだ、「血みどろ絵」はあまり見ていない。

今回の一連の展覧会では、意図的に「血みどろ絵」ははずされている。それは1970年代に芳年が注目された時に、こういった残虐絵ばかりが注目されたせい。その反動でしょう。

芳年は作品数も多いので、近々またどこかで展覧会がありそうな気がする。また行くぞ。

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(追記)@2017/09/16

・菅原真弓 (2009.11) 『浮世絵版画の十九世紀 風景の時間、歴史の空間』. 396pp. ブリュッケ, 国立(東京).

という本も、ちょうど読みました。目次だけ簡単に。

007-020 序章 語られなかった"過渡期"の日本美術 幕末明治美術への視点

021-160 第一部 十九世紀の浮世絵版画における風景主題 風景と時間をめぐって
023-075 第一章 歌川広重「木曽海道六拾九次」の「時間」
077-103 第二章 歌川広重と木曽街道の旅
105-131 第三章 歌川広重と縦絵の風景画
133-160 第四章 小林清親の光と広重受容

161-321 第二部 十九世紀の浮世絵版画における歴史主題 歴史と空間をめぐって
163-193 第五章 武者絵の十九世紀 葛飾北斎から歌川国芳へ
195-226 第六章 武者絵から歴史画へ 歌川国芳における画面拡大の意味
227-266 第七章 虚構から現実への階梯 月岡芳年「血みどろ絵」のリアリティ
267-321 第八章 十九世紀歴史画の確立 月岡芳年の『前賢故実』受容

323-327 終章 風景の時間と歴史の空間

329-333 あとがき 謝辞を兼ねて

335-387 資料・年譜
392-388 掲載図版一覧
395-393 索引

著者は大阪市立大学教授。2000~06年には中山道広重美術館学芸員だった関係上、第一部は当時の研究対象・広重に関する論考。

私としては、第二部の北斎、国芳、そして芳年に関する論考が特に面白かった。

芳年の元ネタとしての菊池容斎 (before 1868) 『前賢故実』を知れたのもよかった(第八章)。

この手の本、もっとないかな。探してみよう。

2017年8月21日月曜日

三井記念美術館 「地獄絵ワンダーランド」

にも行ってきました。日本橋に行ったのも何年ぶりだろう?

・三井記念美術館 > 展覧会情報 > 開催中の展覧会 : 特別展 地獄絵ワンダーランド 2017年7月15日(土)~9月3日(日)
http://www.mitsui-museum.jp/exhibition/index.html

特別展 地獄絵ワンダーランド
会場 : 三井記念美術館
住所 : 東京都中央区日本橋室町二丁目1番1号 三井本館7階
電話 : ハローダイヤル03-5777-8600
会期 :2017年7月15日(土)~9月3日(日)
休館日 : 月曜日、7月18日(火) ※但し7月17日(月・祝)、8月14日(月)は開館
開館時間 : 10:00~17:00 ※入館は16:30まで
ナイトミュージアム : 会期中毎週金曜日は19:00まで開館 ※入館は18:30まで
入館料 : 一般1,300円(1,100円) 大学・高校生800円(700円) 中学生以下 無料 *70歳以上の方(要証明)は1,000円。また20名様以上の団体の方は( )内割引となります。ナイトミュージアム(会期中毎週金曜日17:00以降)の入館料は一般1,000円 大学・高校生500円
主催 : 三井記念美術館、NHK、NHKプロモーション
協賛 : 日本写真印刷


同展チラシ, p.1


同展チラシ, pp.2-3


同展チラシ, p.4

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まずネーミングがいい。「地獄絵」と「ワンダーランド」をくっつけるセンスは素晴らしい。

冒頭は、

水木しげる先生の絵本「水木少年とのんのんばあの地獄めぐり」の原画。

・水木しげる (2013.6) 『水木少年とのんのんばあの地獄めぐり』. 32pp. マガジンハウス, 東京.

やあ、これは得したぞ。

水木さん最晩年の作品なので、絵は全編チーフ・アシスタントの村澤昌夫氏のもの(もう明かしてもいいでしょう)だが、全体のコンセプトは水木さんが抑えているはず。

地獄絵は、水木さん大好きでしたからね。微に入り細に入りの描き込みはさすがだ。水木さんは絵こそ描いていないものの、水木少年とのんのんばあの彩色だけは、自分で担当している(そこだけ彩色が他と違うのですよ)。たいしたもんです。

これでつかみはOKだ。

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水木作品の地獄なら、貸本時代の傑作・そのものズバリの「地獄」(1965)やその翻案作「コロポックルの枕」(1970)でしょ!とも思うが、これらはあまりに残虐描写がキツいので、子供も対象にしている今回の展覧会じゃ無理だったかな。

Redonの宇宙船に乗ってくる「鬼宇宙人」、仏足石の宇宙ロケットなど、SF主流に毒されていないユニークなメカニックの原画も見てみたい。

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残虐描写のきつい地獄絵自体は、六道図の一部や地獄草紙の展示があるだけなので、それほどショッキングではない。小さい絵が多いので、パンフレットなどに引用されている絵はかなり拡大したものであることがわかる。

後半になると、行けども行けども十王(閻魔大王のグループ)図だらけなのでちょっと飽きた。

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地獄残虐描写が少なかったので、ちょっと物足りない展覧会だったが、一つ収穫。

耳鳥斎(にちょうさい)・筆 (1793) 地獄図巻

この人、はじめて知った。江戸時代・大坂の浮世絵師なのだが、他に類を見ない「カワイイ絵」を描く人。この当時、目を黒丸で描いたり、開いた口をV字形に描くような人はいない。

地獄絵も全然怖くない。むしろみんな楽しそう。「役者が行く地獄」では、亡者は縛り付けられて、太い「大根」を口に押し込まれている。でも笑ってるよ(笑)。こんな地獄なら行ってみたい。

参考:
・アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】 >耳鳥斎の地獄ワールドツアー 2015-09-14
https://ameblo.jp/artony/entry-12073124925.html

今後、耳鳥斎追っかけてみよう。耳鳥斎の本って、

・中谷伸生 (2015.3) 『耳鳥齋アーカイヴズ 江戸時代における大坂の戯画』(関西大学東西学術研究所資料集刊36). vi+209pp. 関西大学出版部, 吹田(大阪).

くらいしかないんだな。いつか展覧会やってほしい。

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あと、ミュージアムショップにすごい本があった。

・梶谷亮治+西田直樹・著, Michael Jamentz+Rachel Saunders+Miriam Chusid・英訳 (2017.7) 『HELL 地獄 地獄をみる』. 592pp. パイ・インターナショナル, 東京.
http://pie.co.jp/search/detail.php?ID=4811

出たばかりの本のようだ。ぬるい絵が多かった展覧会に比べて、こちらはもうすさまじい絵が、「コレでもか!」とばかりに集めてある。圧巻!むしろ、こちらをそのまま展覧会にしてほしかったほど。

この本ほしい。しかし5900円+税とかなりのお値段なんだよなあ。いつか買おう。

2017年8月19日土曜日

月岡芳年ツアー2017(2) 太田記念美術館 「月岡芳年 妖怪百物語」 展

芳年ツアー第2弾は、原宿の太田記念美術館の前期。

・太田記念美術館 > 展覧会 > 年間スケジュール > 特別展 月岡芳年 妖怪百物語(as of 2017/06/28)
http://www.ukiyoe-ota-muse.jp/exhibition/%E6%9C%88%E5%B2%A1%E8%8A%B3%E5%B9%B4%E3%80%80%E5%A6%96%E6%80%AA%E7%99%BE%E7%89%A9%E8%AA%9E-2

会期 : 2017年7月29日(土)~8月27日(日)(7月31日、8月7、14、21日は休館します)
開館時間 : 午前10時30分~午後5時30分(入館は午後5時まで)
会場 : 太田記念美術館 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前1-10-10
TEL : 03-5777-8600(ハローダイヤル)
入館料 : 一般 1000円、大高生※学生証をご提示ください。 700円、中学生以下※中学生は学生証(生徒手帳)をご提示ください。 無料(リピーター割引 「月岡芳年 妖怪百物語」および「月岡芳年 月百姿」両展覧会の会期中2回目以降ご鑑賞の方は、半券のご提示にて200円割引いたします。※チケット購入時に半券をご提示下さい。他の割引との併用はできません。
芳年を巡る 入館料相互割引プラン : 下記展覧会のチケットを当館でご提示いただくと、「月岡芳年 月百姿」展を100円割引でご覧いただけます。※1枚につき1名様、1回限り有効、他の割引との併用はできません。
横浜市歴史博物館 丹波コレクションの世界Ⅱ 歴史×妖×芳年 2017年7月29日(土)~8月27日(日)


同展パンフレット, p.1


同展パンフレット, p.2

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案の定、横浜の「歴史×妖×芳年」展とは「新形三十六怪撰シリーズ」が丸かぶり。

しかし、がっかりしたかというと、そんなことはない。横浜で芳年錦絵の見方を勉強できたおかげで、こちらでは重要技法を見逃すこともなく、じっくり鑑賞することができました。

空摺や正面摺の技を見ようと、伸びをしたり、しゃがんだりしてたのは自分だけだった。

横浜みたいに、技法の解説はないし。太田は浮世絵専門館なので、「そんなの解説するまでもなく、うちの客には常識」ってことなのかもしれない。

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これが図録。一般書籍として、書店でも販売されています。

・日野原健司+渡邊晃・著, 太田記念美術館・監修 (2017.7) 『月岡芳年 妖怪百物語』. 135pp. 青幻舎, 東京.


デザイン : 原条令子

展示作品をコーナーごとに紹介すると、

(1) 初期の妖怪画 16点
(2) 和漢百物語 26点
(3) 円熟期の妖怪画 24点
(4) 新形三十六怪撰 36点

まさに充実の展示です。それにしても、この頃の浮世絵師は多作だ。これでも芳年作品のほんの一部なのだから。

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お気に入りは、


月岡芳年 (1865.8) 和漢百物語 宮本無三四
同書, p.54

躍動感が素晴らしいですね。

他には、やたらと相撲取りの豪傑話(まあ作り話かうわさ話なのだろうけど)が多いのがおもしろい。小野川喜三郎が、三つ目入道に煙草の煙を吹きかけながらの、小馬鹿にした目が素晴らしい。嫌がる三つ目入道の顔との対比も、また絶妙。

しかし芳年が描く妖怪は貧相なものが多く、ちょっとかわいそう。これだけ妖怪画を描いているのに、芳年の立ち位置は飽くまで「退治する側」にある。「妖怪が好きで好きでたまらない」といったタイプではない、と見た。

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月岡芳年 (1885.9) 奥州安達がはら ひとつ家の図
同書, p.80

芳年らしさが発揮された一枚。縦二枚つづりの画面構成を存分に活かした力作だ。

横浜でも太田でも、残念ながら無惨絵系統の展示はほとんどないので、今回の展示の中では、そっち方面の嗜好を垣間見れる貴重な作品。

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なお、今回の図録はページがマットなので、発色が悪いような気がする。横浜と展示が重複している「新形三十六怪撰」で、図録を比較してみるのも面白い。

すると、横浜展示のものとは、摺りが違う版があったりする。これは一点物ではない浮世絵収集の宿命であり醍醐味でもある。

一つ紹介しておこう。


月岡芳年 (1891) 新形三十六怪撰 奈須野原 殺生石之図
同書, p.113


月岡芳年 (1891) 新形三十六怪撰 奈須野原 殺生石之図
横浜市歴史博物館・編 (2017.7) 『丹波コレクションの世界II 歴史(れきし)×妖(あやかし)×芳年(よしとし) "最後の浮世絵師"が描いた江戸文化』. p.90 横浜市ふるさと歴史財団, 横浜.

横浜の図録は、ページがグロスで発色がいい。太田のよりもコントラストを強めにしている。ぼかしなど、微妙な味わいは太田図録の方がよく出ているかもしれない。

しかし、原本の保存状態の違い、図録での図版作製・色調整を考慮したとしても、これは摺り版が違うのではないか、と思った。

太田の展示では、一部の絵柄が刷られていない版を並べて展示してあったりするのも、なかなかおもしろかった。意図的なのか単なるミスプリントなのか、わかっていないそうだ。

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太田記念美術館はこじんまりとしたところなので、作品との距離が近くていい。その分、客が多いと結構窮屈になり、観覧も時間がかかるけど。平日昼間にゆったりした気持ちで見るには、すごくいい場所だと思った。

今回の「妖怪百物語」展は、2017/07/29~08/27と、わずか1ヶ月の短い展示なので、すぐに行った方がいい。もたもたしてると終わっちゃうぞ。

次回、「月百姿」展(2017/09/01~09/24、こちらも短いので注意)ももちろん行きます。

2017年8月5日土曜日

月岡芳年ツアー2017(1) 横浜市歴史博物館「歴史×妖×芳年」展

2017年5月27日土曜日 行きたい! 札幌 「月岡芳年」展

で紹介した、札幌の月岡芳年展には結局行けず、残念だったのですが、そのかわりに

2017年6月28日水曜日 東京・横浜でも「月岡芳年」展

で紹介した、原宿で2回、横浜で1回開かれる芳年展に行くことにしました。

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まず一発目は横浜。

・(公財)横浜市ふるさと歴史財団/横浜市歴史博物館 > 見る : 企画展 > 年度別アーカイブ : H29(2017) > 企画展 丹波コレクションの世界Ⅱ 歴史×妖×芳年 : 詳細を見る > 企画展 丹波コレクションの世界Ⅱ 歴史(れきし)×妖(あやかし)×芳年(よしとし) "最後の浮世絵師"が描いた江戸文化(as of 2017/06/28)
http://www.rekihaku.city.yokohama.jp/koudou/see/kikakuten/2017/tanba_collection-2/

会期 : 2017年7月29日 (土) ~2017年8月27日 (日)
会場 : 横浜市歴史博物館
開館時間 : 9:00~17:00(券売は16:30まで)
休館日 : 月曜日
観覧料 : 一般 企画展500円(400円) 企画展・常設展共通700円(560円)、大学生・高校生 企画展 200円(160円) 企画展・常設展共通300円(240円)、中学生・小学生企画展100円(80円)企画展・常設展共通100円(80円) ※( )内は20名以上の団体料金です。 ※毎週土曜日は、小・中・高校生は無料です。
芳年を巡る【入館料相互割引プラン】 : 本展チケットの半券を太田記念美術館(外部リンク)の展覧会「月岡芳年 妖怪百物語/月岡芳年 月百姿」(会期:2017年7月29日(土)~8月27日/9月1日(金)~9月24日(日))でご提示いただくと、100円割引で御覧いただけます。(一枚につき一名様、1回限り有効) 他の割引との併用はできません。
主催 : 横浜市歴史博物館
共催 : 横浜市教育委員会
協力 : 神奈川県立歴史博物館
後援 : 朝日新聞横浜総局・神奈川新聞社・産経新聞社横浜総局・東京新聞横浜支局・日本経済新聞社横浜支局・毎日新聞横浜支局・読売新聞横浜支局・NHK横浜放送局・TVK・FMyokohama84.


同展チラシ表


同展チラシ裏

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会場の横浜市歴史博物館は、横浜市営地下鉄ブルーライン/グリーンラインのセンター北駅から歩いて5分。これまで、行き先として視界に入ったことのない地域だったので、新鮮でした。

ところで、頭に何もつかない「センター」って何だろう?

平日でしたが、思ったより客がいた。それでも、作品の前に人がダンゴになっているような状態ではないので、じっくり見ることができました。

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これは図録↓

・横浜市歴史博物館・編 (2017.7) 『丹波コレクションの世界II 歴史(れきし)×妖(あやかし)×芳年(よしとし) "最後の浮世絵師"が描いた江戸文化』. 107pp. 横浜市ふるさと歴史財団, 横浜.


装丁 : 高橋健介

展示作品は、横浜の貿易商・丹波恒夫氏(1881~1971)のコレクションから、78点が選ばれています。ほとんどは神奈川県立歴史博物館の所蔵品。

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月岡芳年(1839~92)は、幕末から明治前半に活躍した浮世絵師(錦絵師)。歌川国芳の弟子です。

2016年5月28日土曜日 府中市美術館 「ファンタスティック 江戸絵画の夢と空想」展と岡田屋鉄蔵 『ひらひら』

で紹介した国芳一門のマンガ

・岡田屋鉄蔵 (2011.12) 『ひらひら 国芳一門浮世譚』. 182pp. 太田出版, 東京.

にも、小僧時代の芳年が出てきますよ。

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初期の武者絵などには、国芳の影響が強く出ていますが、次第に、豪胆な師匠の線とは違った、繊細な線での画風を極めていきます。

特に、糸のように細い線で描かれる美人画は、芳年の十八番。浮世絵というよりも、中国の美人画の影響があるような気がする。

明治になると、国芳の頃よりも一層海外の絵がどんどん入ってきて、絵師もいろいろな刺激を受ける機会が増えたのだと思う。

芳年にも、聖母子像の影響があらわな「一魁随筆 山姥 怪童丸」という作品がある。

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芳年の絵はもとより、彫師の技にも注目。明治期になると、彫師のテクニックもここまで進歩していたのか、と驚くばかりです。とても木版画には見えない。

摺師のテクニックにも仰天しっぱなし。ぼかし、グラデーションなどはお手の物。

空摺(墨をつけずに摺り、紙に凹凸を出す手法)
正面摺(墨の表面に艶を出して、単色の中に模様を浮かび上がらせる手法)
雲母(きら)摺(細かい雲母片を散らす手法)

などの、繊細な摺り技がふんだんに使われています。

会場には、これらの手法についての解説もあり、とてもわかりやすかった。この辺は指摘してもらわないと、素人にはなかなか気づかない。

これらは、図録や画集の印刷では全然出ない微妙な技なので、会場で現物を見るしかない。

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なお、図録カバーでは、この雲母摺部分のクローズアップが使われていて、なかなか通好みの装丁です。気づいた人はどれくらいいるかな?「遠方の星雲を撮影した天文写真」と思った人も多いかもしれない。

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優美な線で描かれた美人画からは一転、芳年が得意とした歴史物・時事もので男を描く際には、勢いのある直線で構成された角張った輪郭になります。特に、線の屈曲点での止めの迫力が芳年の特色。

芳年の売りの一つである「無惨絵」は、この丹波コレクションには少ない。しかし、今回は三枚綴りの歴史・時事ものや新形三十六怪撰シリーズなど、芳年の実力が十分堪能できる展示です。

この辺は、コレクターや展覧会キュレーターの個性が出るところ。今回は比較的一般人にも理解できるような作品ばかりが選ばれている、といえるでしょう。

しかし、逆を言えば、この展覧会だけでは、芳年の全貌は全く見えて来ないのだ。

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「新形三十六怪撰シリーズ」などは、原宿の太田記念美術館の展示とかなり重複していそうだが、一点ものではない浮世絵・錦絵の展覧会の宿命と観念して、もちろんそちらも行きます。

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暁斎や芳年が担った明治期の錦絵は、次第に印刷物に取って代わられます。彼らの後進たちは、印刷物での挿絵の世界に進んでいくわけですが、その世界もまた面白いのだ。

そして、伊藤晴雨、伊藤彦造、高畠華宵などを経て、これら挿絵画家の技は、現代のマンガ家たち、平田弘史、花輪和一、丸尾末広、さらには諸星大二郎の絵にまで続いていく。

手塚治虫を中心に置いてたどる「日本マンガ史」からは、全く見えてこない絵の系譜です。

そういった日本の通俗絵画史・マンガ史のパースペクティブの中に、芳年を置いて考えてみるのも、楽しみ方の一つでしょう。

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さて、次は、原宿・太田記念美術館の「月岡芳年 妖怪百物語」展だ!

2017年7月1日土曜日

「アルチンボルド展」に行ってきました

2017年5月29日月曜日 「アルチンボルド」展は絶対行きます

で宣言したとおり、上野の国立西洋美術館に行ってきました。

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・国立西洋美術館/アルチンボルド展(as of 2017/05/28)
http://arcimboldo2017.jp/

会期 : 2017年6月20日(火)-9月24日(日)
会場 : 国立西洋美術館[東京・上野公園]
http://www.nmwa.go.jp/
〒110-0007 東京都台東区上野公園7−7
休館日 : 月曜日、7月18日(火) *ただし、7月17日(月)、8月14日(月)、9月18日(月)は開館
時間 : 午前9時30分―午後5時30分(金・土曜日は午後8時まで) *入館は閉館の30分前まで
お問合せ : 03-5777-8600[ハローダイヤル]
観覧料金 : 当日 一般 1,600円 大学生 1,200円 高校生 800円   前売/団体 一般 1,400円 大学生 1,000円 高校生 600円  ※中学生以下は無料 ※団体は20名以上 ※心身に障がいのある方とその付き添い者1名は無料(入館の際に障がい 者手帳をご提示ください) 【前売券】2017年3月21日(火)〜6月19日(月)まで〔国立西洋美術館では6月18日(日)まで販売〕
【チケット販売場所】国立西洋美術館(開館日のみ)、展覧会ホームページほか、ローソンチケット、イープラス、チケットぴあなど各主要プレイガイドにて販売 ※手数料がかかる場合があります


同展パンフレット, p.1

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毎年書いてるが、この時期、上野は修学旅行の中学生でいっぱい。にぎやかでいいね。

驚いたことに、このArcimboldo展を見に来ている修学旅行生もいた。中学生は無料だからにしても、偉いぞ君たち。こういう変な絵をたくさん見て、変な大人になってくれたまえ。

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入ってすぐの「自分の顔をArcimboldo風にしてくれるアトラクション」は、平日だというのに長蛇の列。少し眺めて、自分がトライするのは諦めた。

でも、見たところ、みんなArcimboldoと言うよりは、その追随者であるFrancesco Zucchi(1562~1622)ぽくなっていたが、どうか?

しかしこれは人気あるだろうね。おもしろいもの。ソフト作製者エライ!

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Arcimboldoと言えば「寄せ絵」だが、今回の展覧会に来ていたArcimboldo作の寄せ絵は

「紙の自画像」、「四季」、連作「四季」4作、連作「四大元素」4作、「ソムリエ(ウェイター)」、「司書」、「法律家」、「庭師/野菜」、「コック/肉」

と、15作品。思ったよりも少なかった。

それでも、今回の目玉である連作「四季」、連作「四大元素」はやっぱりすごかった!

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奥様方に人気なのはやっぱり、花でできた「春」。海棲生物でできた「水」も人気だった。細部の見どころは、これが一番あるしね。

細部を見て理屈脳を作動させつつ、そこから徐々に遠ざかり、顔面であることが認識できた時に、感覚脳に切り替わる瞬間がたまらない。

脳が騙されている様子を、リアルタイムで自分の脳が観察できるのだよ。こんな楽しいことはない。

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あと驚いたのは、発色のよさ。とても450年前(16世紀末)のものとは思えない。保守・修復がよっぽど緻密に管理されてるんだな。油彩画恐るべし。

これは図録↓

・シルヴィア・フェリーノ=パグデン+渡辺晋輔・責任編集 (2017.6) 『ARCIMBOLDO : NATURE INTO ART』. 244pp. 国立西洋美術館, 東京/NHK, 東京/NHKプロモーション, 東京/朝日新聞社, 東京.


デザイン : 梯耕治

残念ながら、図録は発色が悪い。図録でも悪くはないが、現物の発色は圧倒的な迫力。照明のセッティングも見事なのだろうけど。

とにかく「現物を見ろ」だ。

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Arcimboldoの絵は、寄せ絵以外にも普通の肖像画、生物画、生物画、下絵デッサンなども多数展示。Leonaldo da Vinciの流れをくむルネッサンスの画家であることがはっきりわかる。特に博物学的な絵に長けた人。

Vienna Habsburg家が世界中から集め、収蔵庫Kunst und Wunder Kammer(芸術と驚異の部屋)に保管していた珍しい産物や生物標本を、憑かれたように大量にスケッチしていったArcimboldoだが、彼はそれに飽きたらず、それらを組み合わせてバストショットの肖像画にして行ったのだった。

その過程が理解できるように展示が工夫されていた。

ただし、目玉の寄せ絵は数が少ないので、会場・図録のあちこちに同じ絵(レプリカ)が何度も顔を出す。ちょっとしつこく感じる人もいるかもしれない。

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Arcimboldo以前、以後の寄せ絵も多数展示されていて、寄せ絵のパースペクティヴがだいぶ把握できるようになった。それだけでも、ものすごく面白い。

まず驚くのは、Giuseppe Arcimboldo(1526~93)以前の寄せ絵。

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一番古いのは、なんと「男根の組み合わせで顔面を描いた絵皿」だ。Italy GubbioのFrancesco Urbini(?~1530-36~?)による1536年の作品。

所蔵館であるUniversity of Oxford(UK)のAshmolean Museumのwebsiteで見ることができる。

・Gardens, Libraries & Museums, University of Oxford > Out in Oxford > Ashmolean Museum > Dish with a composite head of penises(as of 2017/06/30)
http://www.glam.ox.ac.uk/outinoxford-ash-dish

性欲に支配された男を風刺したものだという。悪趣味、気持ち悪い、と思う人が多いかもしれない。

しかし、これがArcimboldoに影響を与えたのは、ほぼ確実でしょう。Gubbioは中部イタリアの都市。Milano出身のArcimboldoがこの作品自体、あるいはその類似品を見ている可能性はかなり高い。

今回展示されている作品は、動植物や無機物の寄せ絵ばかりだが、実はArcimboldoには人間の裸体を組み合わせた寄せ絵もある(後述)。それらは特に上記男根寄せ絵と似ている。

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お次は、「風刺作家・詩人Pietro Aretino(1492~1557)の肖像を描いたメダル」。16世紀第2四半期(1525~50頃)の作品。

メダル自体はかなりの数鋳造されているので、web上でもあちこちで見ることができるが、今回展示されていたメダルが最も保存がよい。Museo Nazionale del Bargello, Firenze, Italyの所蔵。北イタリアVeneziaで作られたもので、先ほどのGubbioよりMilanoに近づいている。

・Antiqua.mi > Attilio Troncavini/Medaglie aretiniane "satiriche"(「風刺作家」アレティーノのメダル)(2016/05/02)
http://www.antiqua.mi.it/Troncavini_Medaglie_Mag16.html

表はAretinoの横顔。これは普通。

しかし裏は、髪の毛が男根で出来ている男の横顔だ。この男がAretinoとどういう関係で、なぜんそんな絵を裏においたのか謎。Aretinoのおふざけぶりを賞賛するものなのか、馬鹿にするものなのか・・・。

しかし、男根肖像の絵皿よりは、だいぶ洗練されてきている。

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そして、16世紀後半、Arcimboldoが次々と寄せ絵を作り始める。しかし寄せ絵の素材は、動植物・無機物とすっかり上品になり、男根などという下品な素材は出てこない。

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今回展示されているArcimboldoの寄せ絵は15作品だが、今回来なかった寄せ絵がまだまだある。

Arcimboldoの作品一覧はここを見るといいだろう↓

・WahooArt.com > Fine Art : All Artists > G > Giuseppe Arcimboldo > All 170 Artworks of Giuseppe Arcimboldo (as of 2017/06/30)
http://en.wahooart.com/Art.nsf/Art_EN?Open&Query=[Champ1]+contains+%22Giuseppe%20Arcimboldo%22

特に惜しいのが、

Vortumnus(Rudolf II)
Basket of Fruit
5作あるThe Seasons
Seated Figure of Summer
The Admiral
四季シリーズも別バージョンが色々あるらしい

あたり。

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代表作ともいえる「ルドルフ2世」は、2017年11月~2018年5月(福岡→渋谷→滋賀)に開催される「神聖ローマ帝国皇帝 ルドルフ2世の驚異の世界展」

・チェコ文化年2017委員会/日本におけるチェコ文化年2017 > イベント : 展覧会/美術 > 神聖ローマ帝国皇帝 ルドルフ2世の驚異の世界展(as of 2017/06/30)
http://czechculture2017.jp/310703285412525125401251024093222693034324093-12523124891252312501652981999012398395143006412398199903002823637.html

で別途来ることを知っていたので、私はショックではなかったが、これを楽しみにしていた観覧客も、かなりいたんじゃないかなあ(図録には小さい絵で何度か登場する)。

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私が楽しみにしていた作品で、今回来なかった、そして図録にも取り上げられていない重要な2作品がこれ↓

・WahooArt.com > Fine Art : All Artists > G > Giuseppe Arcimboldo > Portrait of Eve(as of 2017/06/30)
http://en.wahooart.com/@@/8BWLJR-Giuseppe-Arcimboldo-Giuseppe-Arcimboldo--Portrait-of-Eve

・WahooArt.com > Fine Art : All Artists > G > Giuseppe Arcimboldo > Portrait of Adam(as of 2017/06/30)
http://en.wahooart.com/@@/8BWLJQ-Giuseppe-Arcimboldo-Giuseppe-Arcimboldo--Portrait-of-Adam

「イヴの肖像」と「アダムの肖像」だ。

これらは、子供の裸体で構成された肖像画なのだ。さあどんどん国芳の寄せ絵に近づいて来たぞ。

裸体で構成されているのは顔面だけで、他の部分は普通の絵なので、動植物を素材とした作品に比べると、完成度は低いかもしれない。

しかし、Arcimboldo作品の中では最も不気味な光を放つ2作品であり、今回来なかったのが本当に残念だ。

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Arcimboldoの奇妙な寄せ絵は、若干の追随者を生んだらしく、それらの寄せ絵もいくつか展示されていた。

しかし大半は、Arcimboldo作品の単なる模写、それもヘタ、であり、見てもあまり面白いものではない。

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上記「イヴの肖像」、「アダムの肖像」とよく似た、裸体を素材に使った寄せ絵が、18~19世紀に突如現れる。

それがBartolomeo Basso(18C~19C)による「女性の頭部」、「男性の頭部」だ。これは間違いなくArcimboldoの「イヴ」「アダム」を見て影響を受けている。そっくりだもの。

なお、これは今回世界初公開で、web上で検索しても全く出てこない。

唯一今回の展覧会の紹介記事に入っているので、そこで見てほしい(もちろん展覧会にも行ってほしい)。

・アソビュー/asoview ! NEWS 読むとお出かけしたくなる、遊びのニュース > エンタメ > 古怒田桃子/「アルチンボルト展」国立西洋美術館で開催中!謎の絵画の全貌を一挙レポート(最終更新:2017/06/21)
https://asoview-news.com/article/12043/

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この手の「裸体寄せ絵肖像画」は、この他には報告がないが、おそらく結構あったんだと思う。

2017年5月29日月曜日 「アルチンボルド」展は絶対行きます

のコメント欄でちょっとだけ触れた、

・松平斉民・収集 (19世紀) 『芸海余波 第五集』. 早稲田大学図書館所蔵, 東京.
http://www.wul.waseda.ac.jp/kosho/i05/i05_01646/

に収録されている「裸体寄せ絵肖像画」(線画での模写)の原画は、そんな絵の一つだったに違いありません。

「裸体寄せ絵肖像画」がこういった形で日本まで伝わり、それを見たか、あるいは噂で「こういう変な絵があるよ」と聞いただけかもしれませんが、江戸時代末期の絵師・歌川国芳(1798~1861)が影響を受け、「みかけハこハゐがとんだいゝ人だ」をはじめとする寄せ絵を描いた可能性は十分あるのです。


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「国芳の寄せ絵が、Arcimboldoの寄せ絵の影響を受けている」と言われても、「いや、時代も場所もぜんぜん違うでしょ。偶然じゃないの?」と思っていたのだが、先般の府中での「国芳展」と今回の「Arcimboldo展」で、両者が細いながらも糸でつながった。

これには大変興奮しました。いやあ、見てきてホントよかった。

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なお、Arcimboldoから国芳、インド細密画まで、寄せ絵の系譜を総覧した論文が図録に収録されているので、そちらも必読です。

・アンドレアス・バイヤー・著, 岩谷秋美・訳 (2017.6) 多重形象化の芸術 ジュゼッペ・アルチンボルドの寄せ絵と二重化されたイメージの意味生産. 『ARCIMBOLDO : NATURE INTO ART』所収. pp.137-141. 国立西洋美術館, 東京/NHK, 東京/NHKプロモーション, 東京/朝日新聞社, 東京.

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それから、もう一つ「目からウロコ」だったのが、Arcimboldoがシュールレアリズムに影響を与えている、という事実。

細部はこの上なく写実的なのに、全体はとてつもなく奇妙奇天烈な絵になっているあたりは、確かにシュールレアリズム、特にSalvador Dali(1904~89)と似ている。

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日本の国芳からDaliまで、時代と空間を超えて意外な影響力を放っているGiuseppe Arcimboldo。

これまでは、「変な絵を描くキワモノ画家」という扱いだったArcimboldoは、実は隠れた大画家であることがわかったわけで、今後ますます注目度が上がっていくでしょう。

次回は、今回来なかった絵、特に「イヴ」と「アダム」も含めて、さらに国芳なんかも入れて、もっと大々的に回顧展をやってほしい。まあ、早くても10年後くらいだろうけど・・・。

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(追記)@2017/07/01

図録はArcimboldoの寄せ絵作品を網羅していないので、ちょっと不満が残る。それでこんな本も買ってしまいました。

・レアナ・デ・ジローラミ・チーニー・著, 笹山裕子・訳 (2017.6) 『アルチンボルド アートコレクション』. 255pp. グラフィック社, 東京.
← 英語原版 : Leana De Girolami-Cheney (2013.10) ARCIMBOLDO (MEGA SQUARE). 256pp. Parkstone Press, NY, USA.


Design : Baseline/カバーデザイン : 石岡真一

版型は小さいのですが、今回展覧会に来なかった作品も収録しています。特に「イヴ」と「アダム」も。

じっくり見て国芳と比較しよう。

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(追記)@2017/08/07

Arcimboldoの影響が日本の浮世絵師・歌川国芳に及んでいるのではないか?というお話を、絵入りで補足しました。こちらもどうぞ。

2017年8月7日月曜日 アルチンボルド→国芳の流れ

2017年6月28日水曜日

東京・横浜でも「月岡芳年」展

2017年5月27日土曜日 行きたい! 札幌 「月岡芳年」展

で紹介した月岡芳年・展ですが、札幌での会期終了後、東京と横浜でも開催されるようです。内容が同じになるかどうかはわかりませんが、うーん、どうも札幌の方が総合的のように見える。

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まずは東京・原宿にある太田記念美術館の芳年展の前期

・太田記念美術館 > 展覧会 > 年間スケジュール > 特別展 月岡芳年 妖怪百物語(as of 2017/06/28)
http://www.ukiyoe-ota-muse.jp/exhibition/%E6%9C%88%E5%B2%A1%E8%8A%B3%E5%B9%B4%E3%80%80%E5%A6%96%E6%80%AA%E7%99%BE%E7%89%A9%E8%AA%9E-2

会期 : 2017年7月29日(土)~8月27日(日)(7月31日、8月7、14、21日は休館します)
開館時間 : 午前10時30分~午後5時30分(入館は午後5時まで)
会場 : 太田記念美術館 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前1-10-10
TEL : 03-5777-8600(ハローダイヤル)
入館料 : 一般 1000円、大高生※学生証をご提示ください。 700円、中学生以下※中学生は学生証(生徒手帳)をご提示ください。 無料(リピーター割引 「月岡芳年 妖怪百物語」および「月岡芳年 月百姿」両展覧会の会期中2回目以降ご鑑賞の方は、半券のご提示にて200円割引いたします。※チケット購入時に半券をご提示下さい。他の割引との併用はできません。
芳年を巡る 入館料相互割引プラン : 下記展覧会のチケットを当館でご提示いただくと、「月岡芳年 月百姿」展を100円割引でご覧いただけます。※1枚につき1名様、1回限り有効、他の割引との併用はできません。
横浜市歴史博物館 丹波コレクションの世界Ⅱ 歴史×妖×芳年 2017年7月29日(土)~8月27日(日)


同展パンフレット, p.1


同展パンフレット, p.2

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同展後期

・太田記念美術館 > 展覧会 > 年間スケジュール > 特別展 月岡芳年 月百姿(as of 2017/06/28)
http://www.ukiyoe-ota-muse.jp/exhibition/%E6%9C%88%E5%B2%A1%E8%8A%B3%E5%B9%B4%E3%80%80%E6%9C%88%E7%99%BE%E5%A7%BF

会期 : 2017年9月1日(金)~9月24日(日)(9月4、11、19日は休館します)
開館時間 : 午前10時30分~午後5時30分(入館は午後5時まで)
会場 : 太田記念美術館 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前1-10-10
TEL : 03-5777-8600(ハローダイヤル)
入館料 : 一般 1000円、大高生※学生証をご提示ください。 700円、中学生以下※中学生は学生証(生徒手帳)をご提示ください。 無料(リピーター割引 「月岡芳年 妖怪百物語」および「月岡芳年 月百姿」両展覧会の会期中2回目以降ご鑑賞の方は、半券のご提示にて200円割引いたします。※チケット購入時に半券をご提示下さい。他の割引との併用はできません。
芳年を巡る 入館料相互割引プラン : 下記展覧会のチケットを当館でご提示いただくと、「月岡芳年 月百姿」展を100円割引でご覧いただけます。※1枚につき1名様、1回限り有効、他の割引との併用はできません。
横浜市歴史博物館 丹波コレクションの世界Ⅱ 歴史×妖×芳年 2017年7月29日(土)~8月27日(日)


同展パンフレット, p.4


同展パンフレット, p.3

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太田の前期と同期間に、横浜市歴史博物館でも開催

・(公財)横浜市ふるさと歴史財団/横浜歴史博物館 > 見る : 企画展 > 年度別アーカイブ : H29(2017) > 企画展 丹波コレクションの世界Ⅱ 歴史×妖×芳年 : 詳細を見る > 企画展 丹波コレクションの世界Ⅱ 歴史(れきし)×妖(あやかし)×芳年(よしとし) "最後の浮世絵師"が描いた江戸文化(as of 2017/06/28)
http://www.rekihaku.city.yokohama.jp/koudou/see/kikakuten/2017/tanba_collection-2/

会期 : 2017年7月29日 (土) ~2017年8月27日 (日)
会場 : 横浜市歴史博物館
開館時間 : 9:00~17:00(券売は16:30まで)
休館日 : 月曜日
観覧料 : 一般 企画展500円(400円) 企画展・常設展共通700円(560円)、大学生・高校生 企画展200円(160円) 企画展・常設展共通300円(240円)、中学生・小学生 企画展100円(80円) 企画展・常設展共通100円(80円) ※( )内は20名以上の団体料金です。 ※毎週土曜日は、小・中・高校生は無料です。
芳年を巡る【入館料相互割引プラン】 : 本展チケットの半券を太田記念美術館(外部リンク)の展覧会「月岡芳年 妖怪百物語/月岡芳年 月百姿」(会期:2017年7月29日(土)~8月27日/9月1日(金)~9月24日(日))でご提示いただくと、100円割引で御覧いただけます。(一枚につき一名様、1回限り有効) 他の割引との併用はできません。
主催 : 横浜市歴史博物館
共催 : 横浜市教育委員会
協力 : 神奈川県立歴史博物館
後援 : 朝日新聞横浜総局・神奈川新聞社・産経新聞社横浜総局・東京新聞横浜支局・日本経済新聞社横浜支局・毎日新聞横浜支局・読売新聞横浜支局・NHK横浜放送局・TVK・FMyokohama84.




同展パンフレット, p.1-2
http://www.rekihaku.city.yokohama.jp/files/6614/9852/4380/70fe9e7b23ac0ce8c857ddc41fbd1b41.pdf

こちらもすごそうだ。

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太田の前・後期と横浜に行けば、札幌の芳年展をだいぶカバーできるのだろうか?うーん、悩む。

と、悩んでいるうちに、札幌はもう会期半分終わっているし、どうしよう・・・。アルチンボルドもまだ行ってないし・・・。

それにしても今年は美術展の当たり年だ > 自分にとっては。

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(追記)@2017/08/06

で、まず横浜に行きました。

2017年8月5日土曜日 月岡芳年ツアー2017(1) 横浜歴史博物館「歴史×妖×芳年」展

2017年5月29日月曜日

「アルチンボルド」展は絶対行きます

・国立西洋美術館/アルチンボルド展(as of 2017/05/28)
http://arcimboldo2017.jp/

会期 : 2017年6月20日(火)-9月24日(日)
会場 : 国立西洋美術館[東京・上野公園]
http://www.nmwa.go.jp/
〒110-0007 東京都台東区上野公園7−7
休館日 : 月曜日、7月18日(火) *ただし、7月17日(月)、8月14日(月)、9月18日(月)は開館
時間 : 午前9時30分―午後5時30分(金・土曜日は午後8時まで) *入館は閉館の30分前まで
お問合せ : 03-5777-8600[ハローダイヤル]
観覧料金 : 当日 一般 1,600円 大学生 1,200円 高校生 800円   前売/団体 一般 1,400円 大学生 1,000円 高校生 600円  ※中学生以下は無料 ※団体は20名以上 ※心身に障がいのある方とその付き添い者1名は無料(入館の際に障がい 者手帳をご提示ください) 【前売券】2017年3月21日(火)〜6月19日(月)まで〔国立西洋美術館では6月18日(日)まで販売〕
【チケット販売場所】国立西洋美術館(開館日のみ)、展覧会ホームページほか、ローソンチケット、イープラス、チケットぴあなど各主要プレイガイドにて販売 ※手数料がかかる場合があります

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同展パンフレット, p.1


同展パンフレット, p.2-3


同展パンフレット, p.4

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Arcimboldoの寄せ絵を見て、国芳の寄せ絵を思い出す人は多いでしょう。

江戸時代末期の絵師・歌川国芳(1798~1961)は、「みかけハこハゐがとんだいゝ人だ」をはじめとする「寄せ絵」の達人としても有名です。

参考:
・Japaaan日本の文化と ”今” をつなぐ! > Japaaanマガジン > アート > 日本画・浮世絵 > Japaaan編集部/猫や人が入り乱れる!浮世絵の寄せ絵(だまし絵)まとめ(@2013/05/22)
http://mag.japaaan.com/archives/6005

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国芳の「寄せ絵」が、独自の発想であるのか、Arcimboldoの影響であるのか、は議論が分かれるところでしょう。

Giuseppe Arcimboldo(1527~93)は、ルネッサンス期のイタリアの人。その絵は油彩画ですから、19世紀の日本人・国芳がArcimboldo作品の現物を見た可能性はありません。

しかし国芳は、若い頃から西洋画(特に洋書の銅版画挿絵)を集めては自分の絵に反映させるという、創意にあふれた人でした。

であるので、国芳の寄せ絵が、洋書に記されたArcimboldoの寄せ絵の模写あるいは類画)を見て、その影響を受けた可能性は十分あるのです。

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というわけで、このArcimboldo展は、国芳ファン、浮世絵ファンにとっても重要な展覧会なのです。

これは絶対行くぞ。

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(追記)@2017/07/10

ちゃんと行きましたよ(笑)。

2017年7月1日土曜日 「アルチンボルド展」に行ってきました

2017年5月27日土曜日

行きたい! 札幌 「月岡芳年」展

これ↓行きたい!

・札幌市芸術文化財団/札幌芸術の森 > 札幌芸術の森美術館 月光ノ絵師 月岡芳年(as of 2017/05/27)
https://artpark.or.jp/tenrankai-event/yoshitoshi/

会期 : 2017年 6月 3日(土)~ 7月 23日(日)
時間 : 午前9時45分〜午後5時30分(入館は午後5時まで)
会場 : 札幌芸術の森美術館
観覧料 : 一般1,200(900)円、高校・大学生600(400)円、小・中学生300(200)円、小学生未満無料 (  )内は前売・20名以上の団体料金
休館日 : 会期中無休
主催 : 札幌芸術の森美術館(札幌市芸術文化財団)、北海道新聞社
後援 : 北海道、札幌市、札幌市教育委員会


同展パンフレット, p.1


同展パンフレット, p.2


同展パンフレット, p.3


同展パンフレット, p.4

なかなかすごそう。パンフレットの出来も素晴らしいですね。

しかし・・・札幌かあ。でも、ちょっと考えよう。

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(追記)@2017/07/22

結局、札幌には行けませんでした(富山・長野に行ってしまったため)。芳年は、原宿・横浜で見るぞ↓

2017年6月28日水曜日 東京・横浜でも「月岡芳年」展

2017年5月18日木曜日

東京藝術大学大学美術館 「雪村展」 2回目

2017年4月10日月曜日 東京藝術大学大学美術館 「雪村展」

で書いたとおり、「雪村展」2回目行ってきました。

・東京藝術大学+読売新聞社/特別展 雪村 奇想の誕生 公式サイト(as of 2017/04/08)
http://sesson2017.jp/

「特別展 雪村 奇想の誕生」
会期 : 2017.3.28[火]- 5.21[日]
会場 : 東京藝術大学大学美術館[上野公園] 〒110-8714 東京都台東区上野公園12-8
開館時間 : 午前10時~午後5時 ※入館は閉館の30分前まで
休館日 : 毎週月曜日 ※ただし5月1日は開館
主催 : 東京藝術大学、読売新聞社


同展パンフレット, p.1

会期もあとわずかなのでお早めに。会期末の土日はこむぞ。

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以下、後期展示の作品を中心に。

比較的初期の作品と思われる「茅濛図」(作品番号22)にすでに、あの粘り気のある波が現れているのを確認できたのは収穫。これぞ「雪村」だ!

同時期の名品「風濤図」(作品番号29)も素晴らしかった。これも「粘り気波」の傑作だ。

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鯉に乗った「琴高仙人・群仙図」(作品番号38)が後期の目玉の一つ。何度みても感動する傑作。次にこれを見れるのはいつのことか・・・。

待てよ、所蔵は京都国立博物館だから、いずれ常設展で展示されることもあるのか。その時にまた会いに行こう。

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「百馬図帖」(作品番号47)は、通期展示だが、何度も見るうちにこの絵の凄さがわかってきたぞ。これ立体になる!

通期展示だが、新発見の「呂洞賓図」(作品番号50)も感動モノだったなあ。変なポーズが魅力。

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ポスターにもなっている、鼻毛をなびかせた「呂洞賓図」(作品番号49)や、「列子御風図」(作品番号39)、「蝦蟇鉄拐図」(作品番号88)など、迫力ある重要作は前期展示が多かったような気がする。

日本画、特に古い絵は照明で痛みやすいため、必ず前後期展示替えがある。前後期二度観覧は必須なのだ。

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「龍虎図屏風」(作品番号65)は、後期の内でも前の方だけの展示だったので、ついに見れなかった。しかし、いつか所蔵館である根津美術館で見てやるぞ!

それと引き替えに見ることが出来たのが「雪村自画像」(作品番号106)。これは後期の内でも後の方だけの展示で、15年前の展覧会では展示がなかったのだ。思ったより小さかったが、感動しました。

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袋の上に乗って笑う「布袋図」(作品番号93)も後期展示のみ。何度みてもなごむ名品。

展示会場冒頭で出迎えてくれる、なごみの怪作「欠伸布袋」(作品番号44)は通期展示。この作品を見るだけでも1600円の価値は充分あると保証します。

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さあ、この展覧会を見ないと絶対後悔しますよ。必ず行ってください。

この展覧会を見れて本当に幸せでした。