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2018年3月3日土曜日

大沖 『はるみねーしょん 7』

2017年5月13日土曜日 大沖 『はるみねーしょん』

で紹介した『はるみねーしょん』の最新巻7巻が出ました。

・大沖 (2018.3) 『はるみねーしょん 7』(MANGA TIME KR COMICS). 119pp. 芳文社, 東京.
← 初出 : まんがタイムきららキャラット, H28年9月号~H30年2月号.


装丁 : 里見英樹

今回は帯付きで紹介します。

えー、「舞台はついにジャングルへ!自然を愛する熱帯編スタート!!」とありますが、それは表紙だけ(笑)。中身はジャングルも熱帯も全然関係ありません。テキトー。

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これまで、はるみ、ユキ、香樹の3人だけで、延々ダジャレ四コマをやってきたわけだが、この巻では、なんと登場人物が増えた。

それが「はるみ」の妹「あるみ」だ。


同書, pp.48-49

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見分けがつかないかもしれないが、あるみの特徴は、

・はるみよりも髪の毛が長い
・まつげが描かれている
・髪の分け方が逆

です。わかりにくい・・・。

しかし、性格はほとんど同じ(笑)。もちろん空も飛ぶ。

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しかし、今のところ、あるみの出番はそれほど多くない。

クラスメイトのアキ(ユキの妹)、アヤコのツッコミ力が少し足りないせいかな?二人とも普通の子だしなあ・・・。

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あと、全体にダジャレの数が激減。なんとかダジャレ抜きのギャグでこなそうとしているが、切れ味が少し鈍った感は否めない。

ペンタブのせいか、線も初期より重い感じになっているし、大沖の作風自体ちょっと変わってきている。私は前の絵のほうが好きだなあ。

まあでも、ギャグも線も親しみやすくなった、とも言える。意外とこっちの方が一般受けはいいかもしれない。

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「ひらめきはつめちゃん」、「わくわくろっこモーション」は終わってしまったが、「はるみねーしょん」の方はまだまだ続きそう。

「はるみねーしょん」の他に、現在

・大沖 (2017.10~) たのしいたのししま. 別冊少年マガジン, 2017年10月号~



を連載中。

WEBでも一部読めます。

・講談社/マガポケ > 連載作品一覧 > 木曜日 > たのしいたのししま 引っ越してきたのは島! 大沖 (as of 2018/03/02)
https://pocket.shonenmagazine.com/episode/13932016480029113192

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比較的低年齢向けの作りだが、「大沖作品は、子どもたちに読んでほしい」と前から思っていたので、いい方針だと思う。

こちらもぜひどうぞ。

2017年5月17日水曜日

大沖 『わくわくろっこモーション』「イム説アイカツ経」

大沖のさらにもう一つの連載作品

・大沖 (2013.4~2017.1) 『わくわくろっこモーション 1~3』(電撃コミックスEX). KADOKAWA/アスキー・メディアワークス, 東京.
← 初出 : 電撃GENESIS, 2010SUMMER~2012VOL.5/月刊コミック電撃大王, 2013年3月号/コミック電撃だいおうじ, VOL.1~39.


カバー・本文デザイン : 里見英樹

は、父さんから無理やり「ひしゃく商店街」会長の座を譲られた女子高生「東灘ろっこ」が、商店街振興に奮闘する「ギャグマンガ」。

商店街のおっさんたちとの掛け合い漫才が主。ちょっと石黒正数『それ町』と似ている。

このマンガ3巻しかないが、連載期間は長く、掲載誌休刊によるお休み1年をはさんで約6年間。隔月掲載だった、ってのもある。

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小ネタで勝負する人なのだが、小ネタの積み重ねでギャグとストーリーを並行して展開するのに、なかなか苦労している。

設定もツメが甘いところが多く(父さんの職業は何?まさか商店街会長専業?とか、母親は?とか、魚屋の娘・ケイコ先輩の存在を知らない、とか、ろっこたち女子高生は、放課後もなぜかずっとセーラー服姿、とか)、自分はもうひとつ乗りきれなかった。

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「商店街振興」というテーマにこだわりすぎたかもしれない。2巻の、メインストーリーとは全然関係ない「全国それなり選手権」とか、やたらおもしろかったので、そういうネタをもっと入れてよかったかもしれないな。

あと、カバーのデザイン、特に3巻は素晴らしい。気合入ってる。大沖-里見コンビ本のデザインはどれもカッコイイね。

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それよりも、大爆笑の小品を紹介しておきたい。

・pixv > 大沖 > 2017年1月5日21:35 イム説アイカツ経. 10pp.
https://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=60786126
← 初出 : 芸能人はカードが命11(2016/11/20)出品コピー本(ダイオキシン名義)



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これは、カードゲーム「アイカツ!」及びテレビ東京放映のアニメ「アイカツ!」(2012.10~2016.3)を布教するイム(井村)さんのtweetをシャリ夫が受け取る姿を描く10ページのマンガ。

「仏説」ではなく「イム説」です。あはは。

2015年の東京国立博物館の展覧会「コルカタ・インド博物館所蔵 インドの仏 仏教美術の源流」の影響ですな。その展覧会についてはこちらをどうぞ↓

・stod phyogs > 2015年5月6日水曜日 イムに行ってきましたよ

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しかし、そのイムさんのtweetはお釈迦様が説法をするお経=仏説(現代語訳)のパロディとなっているのだ。シャリ夫は、もちろん舎利弗(शारिपुत्र Shariputra)のパロディ。

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イム説はこんな具合

また、シャリ夫よ。
有栖川おとめ、藤堂ユリカ、
北大路さくら、一ノ瀬かえで、
神谷しおん、三ノ輪ヒカリも
また魅力的であり、

それらのアイドル達は
アイカツカードによって
衣装を身に纏うことができる。

わはは。よくできてる。

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で、イムさんの一連の布教tweetが終了すると、信者たちは「アイカツ!」Blu-ray Boxをポチってしまう、という。あははは。

この人、高校か大学が仏教系なのかな。普通の人は仏説をパロディにするなんてアイディアは出てこないよ。すごい。

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「はつめちゃん」も「ろっこモーション」も終了してしまい、今は連載は「はるみねーしょん」だけのようだが、もしかするとそろそろメジャー誌に出てくる頃なのかもしれない。

実力のある人なので、もっといろいろ読みたいですね。

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ただ、何度も書いているが、最近の重い線よりも、初期の軽やかな線の方が好きですね。

でも今の絵の方が、メジャーな場所での1コマとか1ページもの連載では使いやすいかもしれない。その辺悩ましいところ、って、余計なお世話ですが・・・。

2017年5月15日月曜日

大沖 『ひらめきはつめちゃん』

大沖のもう一つの長期連載が

・大沖 (2010.1~2016.2) 『ひらめきはつめちゃん 1~6』(BLADE COMICS). マッグガーデン, 東京.
← 初出 : 月刊コミックブレイド, 2009年2月号~2014年9月号/コミックブレイド, 2014年9月~2015年11月配信.


装幀 : 里見英樹

こちらは残念ながら完結したが、やはり約7年という長期連載だった。

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主人公の「はつめ」は、「はるみ」と区別がつかないが、耳毛(?)が特徴。小学1年生だが、頭身は「はるみ」よりちょっと大きい。

はつめが、図工の時間にうっかり発明した「はこ」でまきおこる騒動を描くギャグマンガ。「はこ」にスパナでネジを差し込むと、いろんな機能が発揮される。が、大半はしょーもない機能。


同書1巻, p.30-31

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第1話にして、家を爆破してしまうし(「はこ」は無事)。


同書1巻, p.12-13

発明のシーンやその苦労は全然出てこない。いつの間にか小1の「はつめ」が発明している。まあ、ご都合主義の最たるものだが、ギャグマンガだからいいのだ。

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登場人物を紹介しておこう。「はるみねーしょん」よりはずっと多いぞ(笑)。


同書5巻, p.20-21を改変

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「はつめ」の発言・行動をすべて肯定してくれるいとこの「ケイ」ちゃんも、自信なさげにツッコミを入れてくれる「たっくん」もいい味出してる。


同書3巻, p.116

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大人の女性陣は、なぜかみんな似たタイプのクール女子。大沖氏の好みと見たぞ。

私のお気に入りは、常にテキトーな早川先生(いつもジャージ)だ。


同書2巻, p.20


同書5巻, p.93

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最後の方は線が太くなり、絵も少し重くなってるのが気になった。「とり・みき」や「唐沢なをき」みたいだ。

なかなかおもしろかったんだが、終わってしまい残念だなあ。少年少女誌なら、まだまだ需要はあると思うんだがどうか?

こういった作品自分もまた見たいし、子どもたちに見てほしいですよね。

2017年5月13日土曜日

大沖 『はるみねーしょん』

「だいおき」と読みます。

その代表作「はるみねーしょん」は、「こんなマンガが成立するんだ・・・」という衝撃のマンガです。

・大沖 (2009.3~2016.9続刊) 『はるみねーしょん 1~6続刊』(MANGA TIME KR COMICS). 芳文社, 東京.
← 初出 : まんがタイムきららキャラット, H19年8月10日号/H20年2月号~H28年8月号(連載継続中)


装丁 : 里見英樹

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登場人物を紹介しておきましょう。


同書2巻, p.2-3

以上(笑)。

ごくたまに、担任の先生は出てくるが、クラスメートの姿すらない。この3人の女子高生が、主に教室で雑談しているだけ、という四コママンガだ。

しかし、そのうちの一人=主人公・細野はるみは、実は宇宙人で空が飛べる。かといってSFにはならない。変な設定。

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雑談といっても、たいてい「はるみ」がボケる、トリオ漫才の形式。ボケもほとんどがダジャレ。たいていユキちゃんがツっこみ役。

同書4巻, p.32

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だが、あまりに下らないネタの時は「イラッ」だけで終わることも多い。

同書2巻, p.28

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もっとひどいと、無言・・・(笑)。

同書3巻, p.22

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わかりにくいボケの時は、たいていユキちゃん(ときどき香樹ちゃんも)が「ハッ、◯◯か」と解説してくれるので、とてもわかりやすい(笑)。

同書4巻, p.60

これ、そのまま漫才ネタとして使えますね。連載1本で、ちょうど漫才1本分になる。プロに盗作されないのか、心配になるくらい。

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それにしても、こんなシンプルな絵で、3人のバストショットだけで、会話だけで、10年近く連載が続いているんだから驚異的だ。

やはり安定感でしょうね。ダジャレ四コマなんて誰でも考えつくけど、これだけ安定してネタ出しできるのは、そうそうできるもんじゃない。非凡と言っていい。これが長期連載の秘訣だろう。

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実は絵もうまいんですよ、この人は。シンプルな絵柄ながら、微妙な心の変化を描く(特にユキちゃんの内面が面白い)。

このシンプルなスタイルだと、コピペを使いたくなるはずだが、律儀に全部描いてる。風景もちゃんとあるし。偉いよね。

コピペなんか使ったら、読者はすぐにわかっちゃいますよ。コピペ絵に嫌悪感を持ち始めて、長年読んだマンガからあっさり離れていくケースも多いのだ。

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さすがに近作では、ネタ出しがつらくなってきたようで、少し動きのある回(文化祭やったり、ボーリング行ったり)も増えてきた。

6巻の最後では、なんと、はるみの妹登場か?という衝撃のヒキで終了。7巻(おそらく2018年4月ころ)が楽しみだなあ。

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ところでこの3人、細野はるみ、高橋ユキ、坂本香樹(かじゅ)、という具合で、なぜかYMOなのだが、香樹ちゃんだけ、なぜ香樹?

ハッ、坂本龍一 → 教授 → きょうじゅ → こうじゅ → 香樹(じゃ読みにくいから) → かじゅ?

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表紙を並べてみて気づいたんだが、はるみの頭身が少しずつ大きくなっている!もしかして成長してるのか?

あと、ペンタブを変えているのかもしれないけど、線がだんだん太くなっている。4巻あたりの線がちょうどいいと思うんだが・・・。