2017年5月13日土曜日

大沖 『はるみねーしょん』

「だいおき」と読みます。

その代表作「はるみねーしょん」は、「こんなマンガが成立するんだ・・・」という衝撃のマンガです。

・大沖 (2009.3~2016.9続刊) 『はるみねーしょん 1~6続刊』(MANGA TIME KR COMICS). 芳文社, 東京.
← 初出 : まんがタイムきららキャラット, H19年8月10日号/H20年2月号~H28年8月号(連載継続中)


装丁 : 里見英樹

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登場人物を紹介しておきましょう。


同書2巻, p.2-3

以上(笑)。

ごくたまに、担任の先生は出てくるが、クラスメートの姿すらない。この3人の女子高生が、主に教室で雑談しているだけ、という四コママンガだ。

しかし、そのうちの一人=主人公・細野はるみは、実は宇宙人で空が飛べる。かといってSFにはならない。変な設定。

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雑談といっても、たいてい「はるみ」がボケる、トリオ漫才の形式。ボケもほとんどがダジャレ。たいていユキちゃんがツっこみ役。

同書4巻, p.32

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だが、あまりに下らないネタの時は「イラッ」だけで終わることも多い。

同書2巻, p.28

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もっとひどいと、無言・・・(笑)。

同書3巻, p.22

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わかりにくいボケの時は、たいていユキちゃん(ときどき香樹ちゃんも)が「ハッ、◯◯か」と解説してくれるので、とてもわかりやすい(笑)。

同書4巻, p.60

これ、そのまま漫才ネタとして使えますね。連載1本で、ちょうど漫才1本分になる。プロに盗作されないのか、心配になるくらい。

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それにしても、こんなシンプルな絵で、3人のバストショットだけで、会話だけで、10年近く連載が続いているんだから驚異的だ。

やはり安定感でしょうね。ダジャレ四コマなんて誰でも考えつくけど、これだけ安定してネタ出しできるのは、そうそうできるもんじゃない。非凡と言っていい。これが長期連載の秘訣だろう。

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実は絵もうまいんですよ、この人は。シンプルな絵柄ながら、微妙な心の変化を描く(特にユキちゃんの内面が面白い)。

このシンプルなスタイルだと、コピペを使いたくなるはずだが、律儀に全部描いてる。風景もちゃんとあるし。偉いよね。

コピペなんか使ったら、読者はすぐにわかっちゃいますよ。コピペ絵に嫌悪感を持ち始めて、長年読んだマンガからあっさり離れていくケースも多いのだ。

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さすがに近作では、ネタ出しがつらくなってきたようで、少し動きのある回(文化祭やったり、ボーリング行ったり)も増えてきた。

6巻の最後では、なんと、はるみの妹登場か?という衝撃のヒキで終了。7巻(おそらく2018年4月ころ)が楽しみだなあ。

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ところでこの3人、細野はるみ、高橋ユキ、坂本香樹(かじゅ)、という具合で、なぜかYMOなのだが、香樹ちゃんだけ、なぜ香樹?

ハッ、坂本龍一 → 教授 → きょうじゅ → こうじゅ → 香樹(じゃ読みにくいから) → かじゅ?

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表紙を並べてみて気づいたんだが、はるみの頭身が少しずつ大きくなっている!もしかして成長してるのか?

あと、ペンタブを変えているのかもしれないけど、線がだんだん太くなっている。4巻あたりの線がちょうどいいと思うんだが・・・。

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