・kashmir (2013.4) 『东京猫耳巡礼记 てるみな 1』. 149pp. 白泉社, 東京.
← 初出 : 楽園, no.5-10[2011.5-2012.10]/楽園Web増刊, 2011/4-2012/12.
・kashmir (2015.2) 『东京猫耳巡礼记 てるみな 2』. 149pp. 白泉社, 東京.
← 初出 : 楽園, no.11-16[2013.2-2014.10]/楽園Web増刊, 2013.4-2014.12.
装丁 : 平谷美佐子
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猫耳小学生が主人公の萌えマンガかと思いきや、中身はこんな ↓
同書1巻, p.67
だったり、こんな↓
同書2巻, p.95
だったりする。
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2016年8月9日火曜日 panpanya 3連発
2016年11月29日火曜日 panpanya 『動物たち』
で紹介したpanpanyaと似た異様に描き込んだ背景が特徴。これに「乗り鉄」、「不気味ファンタジー」、もちろん「ロリ萌え」要素も加えたテンコ盛りの内容。濃いマンガだ。
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「楽園」誌では2011年から連載されていたが、2013年に同系統のマンガを描くpanpanyaも楽園に登場し始めたせいか、本誌では一旦終了。今はWeb増刊で、「てるみなneu」として連載継続中。
panpanyaが相手では分が悪い。kashmirの画力もなかなかのものだが、panpanyaにはやや及ばない。画材(おそらくデジタル?)のせいもあるんだろうけど、まだまだ白っぽくて、禍々しさがちょっと足りないかな。
まあ、そこが、panpanya、そして両者のルーツとなっている逆柱いみりよりもポピュラリティのある所以なんだけど。
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こうして比較してみると、「てるみな」は結構ガロっぽい。時にオチをぶん投げたような回があるし、かなり感覚的。panpanyaは意外にオチをちゃんとつけるし、必ずストーリーがしっかりあるのだ。
どうしても比較してしまうので、kashmir氏には申し訳ないが・・・。
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しかし、
同書1巻, p.118
のように気持ち悪い寄生虫ネタもあるし、
同書2巻, p.79
ローカル(ここでは「東京都」町田市)あるあるネタもあるし、多彩な作風。いろんな才能あるよね。
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なんといっても、現実の東京近郊鉄道路線をモデルとしてはいるが、妄想で7倍位に膨らませた異様な鉄旅が、このマンガの見どころ。
京央線の高尾山頂直通列車、寄生虫に導かれて西部線のお稲荷さんに連れて行かれる話、ゆりくらげ線、町田解放同盟なんかは大好き。
「鉄」要素はないけど、秋葉原の地下へ地下へと潜る話もすごくいい。この辺がkashmir作品の醍醐味。
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「楽園」本誌では、今は「ぱらのま」を連載中。
・kashmir (2017.2) 『ぱらのま 1』. 141pp. 白泉社, 東京.
← 初出 : 楽園, no.17-22[2015.2-2016.10]/楽園Web増刊, 2015.4-2016.12.
装丁 : 平谷美佐子
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こちらは主人公の年齢も上がり、また、異様な風景も抑えた、まっとうな「乗り鉄」というか「国内旅行」マンガ。鉄分かなり多めだけど。
同書1巻, p.7
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この主人公の原型は、すでに「てるみな」にも出てきていた。
この茫洋としているようで、オタク・マインドにあふれた内面は素晴らしい。孤独をものともしないクールさもいい。このキャラ、どっかで見た他のキャラとよく似てるような気がするんだが、誰だか思い出せない。
最後に登場したメガネ女子は、はたしてレギュラーとなるのか?このへんも見どころだ。
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ところでタイトルの「ぱらのま」って、なんだ?「panorama」のアナグラムなのか?「paranormal(超常(現象))」なのか?謎だ。
そういえばペンネームのkashmirも謎だ。これはやはり3D地図ソフトから来てるんだろうか?地図オタクらしいし。
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