2017年3月29日水曜日 府中市美術館 「歌川国芳 21世紀の絵画力」展
で宣言した通り、2回目に行って来ました。大満足でした。
同展パンフレット, 外3面
------------------------------------------
今回も冒頭で出迎えてくれた「通俗水滸傳百八人」シリーズ。後期展示も、当然ながら素晴らしい作品ばかり。
いったい体がどうなっているのやら、さっぱりわからないながら、ものすごい迫力の「黒旋風李逵」、原典「水滸伝」では地味な存在なのに、国芳画では存在感たっぷりな「急先鋒索超」など、いきなり充実した内容だ。
------------------------------------------
次の役者絵コーナーでは、なんといっても「四代目中村歌右衛門死絵」のどでかい顔が見もの。いやあ、迫力だあ。
------------------------------------------
そして、「みかけハこハゐがとんだいゝ人だ」ついに見ました。国芳は、他にもこういった「裸体寄せ絵」をたくさん描いているが、やはりこの「みかけハ・・・」は別格の完成度であることが、あらためてわかった。
------------------------------------------
さらに「相馬の古内裏」。上記パンフレットの右下、巨大ガイコツですね。現物はやっぱりすごい、そして美しい。
今回は、隣に杉田玄白・著, 大槻玄沢・重訂, 南小柿寧一・画, 中伊三郎・版刻 (1826) 『重訂解体新書図編』(これもはじめて見た!)が置いてあり、この絵の解剖学的な正確さを確認させてくれた。
もう至れり尽くせりの展示です。
------------------------------------------
「宮本武蔵と巨鯨」も後期のみの展示。いやあ感動ですね。
この絵を描くシーンは、マンガ『ひらひら 国芳一門浮世譚』でも取り上げられていますから、そちらも是非どうぞ。
------------------------------------------
同展パンフレット, 内3面
とにかく、これだけ充実した展覧会はめったにない。おまけに2回見てもわずか1050円なのだ。他の展覧会1回分よりまだ安い。
こりゃあ、見ない手はありませんぜ。
遠くに住んでいる方も、連休中に無理に遠出してでも見る価値は絶対あります。まさに「見逃すな!」。
------------------------------------------
もし見逃したら、しゃーない。その時は図録を買いましょう。一般書店で市販されています。
・府中市美術館(金子信久+音ゆみ子)・編著 (2017.3) 『歌川国芳 21世紀の絵画力』. 287pp. 講談社, 東京.
ブックデザイン : 島内泰弘デザイン室
図録の充実ぶりも異常なほどです。展示に忠実な構成・レイアウトなので、行けなかった人もかなり満足できるでしょう。
0 件のコメント:
コメントを投稿