・売野機子 (2017.1) 『売野機子のハート・ビート』(FC Swing). 183pp. 祥伝社, 東京.
デザイン : 川名潤(prigraphics)
またフィーヤンだよ。すごいなあ、フィーヤン。
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これは完全にジャケ買いです。すごく強力な表紙絵とデザイン。
今、こういう顔面をギューギューに押し出してくる、そしてポップな表紙あんまりないよね。それも、表紙の女の子は中身と関係ない(注)、という江口寿史チックな戦略。
(注)
いや、「イントロダクション」の「じゅり」かもしれないが、この前向きで意志の強そうな顔は、その「じゅり」とは違う気がする。
タイトルに「売野機子の」と名前を入れてくるあたりも珍しく、その押しの強い戦略にまんまとはまりました。
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売野機子はすでに2冊短篇集を持っているが、いまいちピンと来なかった。
この短篇集も、ストーリー性の強いラブストーリーばかりで、言うなればマーガレット系。登場人物もミュージシャンだったり、音楽雑誌編集者だったりと、派手目な道具立て。
私とは相性よくない(当たり前だ、おっさんなんだし。しかし、もともとの好みは、「りぼん」系日常マンガです)。
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そんな中でも、
02. ゆみのたましい pp.57-94.
← 初出 : フィールヤング, 2016年8月号
がよかった。
同書, 「ゆみのたましい」, pp.66-67
小6ながら、高3女子に「今日は帰りたくない・・・」と言われて、ちゃんと答えてあげられる未来くん、偉いぞ(余計な心配かもしれませんが、おねショタものではありませんよ)。
さらに、海外サマースクールを棒に振って、その子の実家、長崎まで遠出するのも偉い。男はやる時やらないと(まあ、お金持ちだからできるんですが・・・)。それが空回りに終わったとしても・・・。
詳しい経緯をあまり説明せず、主人公自身もあまりわからないままなのも、リアリティあっていいです。それがエンディングにつながっているし。
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とまあ、あんまりこの作者と合う読者でなくてすいませんが、他の作品ももう少し追っかけてみよう。
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