2017年6月29日木曜日

中央線本新刊と今尾恵介・多摩本2冊

2016年8月24日水曜日 『終電ちゃん』の副読本2冊

で紹介した

・山田亮 (2016.5) 『JR中央線・青梅線・五日市線 各駅停車』. 223pp. 洋泉社, 東京.

に続く中央線本を買った。それがこれ↓。

・矢島秀一・文, 朝日新聞社・写真 (2017.7) 『朝日新聞社が撮った中央線の街と駅 【1960~80年代】』. 127pp. メディア・パル, 東京(発売)/フォト・パブリッシング, 東京(発行).


デザイン : 柏倉栄治

若干控えめですが、やっぱり中央線カラー(笑)。

------------------------------------------

前掲書とは、編集方針がほぼ同じような本。中央線の各駅の古い写真と古い地図を掲載している。だから地図も写真もダブりまくり。

この本の特色としては、版型が大きいこと(B5版)と朝日新聞社撮影の航空写真(これが売り)が多いこと。

版型が大きいだけに、写真も地図も細部観察がしやすく助かる。こういう本は1度見て終わりではなく、何度も眺めて細部を観察し、色んな発見をするのが醍醐味。

これからしばらく楽しめそうだ。

------------------------------------------

しかし、路線・駅ウンチクは、前掲書のほうが充実してるかな。なによりも、前掲書は中央線だけじゃなく、青梅線・五日市線もカバーしてるし。

最近は、こういった東京周辺の鉄道・駅の古い写真と古い地図を組み合わせた本がたくさん出ている。本屋へ行くと、そんな本が平積みされてるんだから驚きですよね。

------------------------------------------

この手の本では、実は写真こそない、か、少ないものの、地図マニアの第一人者・今尾恵介さんの本が一番面白い。

写真がないかわりに、今尾さんの本では、歴史の視点が強いことが特徴。古い地図も2枚以上並べて、その変化を分析するのが今尾流。

------------------------------------------

今尾地図本はたくさんあるけど、その中でも東京・多摩を取り上げた本は2冊出ている。

・今尾恵介 (2008.7) 『多摩の鉄道沿線 古今御案内』. 317pp. けやき出版, 立川.


装丁 : 山口裕美子

・今尾恵介 (2015.4) 『地図でたどる多摩の街道 30市町村をつなぐ道』. 197pp. けやき出版, 立川.


カバーデザイン :福田正江

------------------------------------------

どちらも、多摩地区ローカル誌「多摩ら・び」(現「たまら・び」、けやき出版刊)での連載が母体になっている。

前者は鉄道路線ごとに鉄道と街の発展に注目し、後者は市町村ごとに道に注目してまとめているのが特徴。

中身も紹介したいのだが、今尾本では、常に国土地理院の承認を得た上で地図を掲載している。ここで無許可複製するわけにはいかない。

ぜひ買ってじっくり見てほしい。立ち読みや図書館から借りて1回位読んだだけじゃ、この本を本当に楽しんだことにならない。何度も何度も地図を舐めるように見比べて、そして実際の場所にも行ってみたりして、頭の中に3次元歴史地図(平面×時間)を作り出してほしい。

===========================================

(追記)@2017/06/29

ちなみに、矢島+朝日(2017.7)では、古い地図ではまだ駅ができていなかった東小金井、西国分寺については、現在の位置に赤丸がついている。・・・はずなのだが、全然違う場所だ。トホホ。

地図担当の人は、地図読み、特に多摩地区についてはあまり詳しくない人のようで、残念。

0 件のコメント:

コメントを投稿