2014年3月12日水曜日

水木しげる屁話 水木しげる自伝リスト(10) 海外旅行記-1

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stod phyogs 2014年3月12日水曜日 水木しげる屁話 水木しげる自伝リスト(10) 海外旅行記-1
からの移籍です。日付は初出と同じです。

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またまた、またまたおとずれる水木ブーム!
今回は「水木しげる漫画大全集」の刊行で話題沸騰です。

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貧乏な私はすっかり乗り遅れて、まだひとつも買っていません。いや、いずれ買うつもりはあるのですが、財布の方がね・・・。

単行本収録作品は、高額な貸本マンガ復刻版を除きほぼ集めております。といっても、なるべくダブりのないように集めているだけのごくごく底辺の水木ファンですが。

単行本未収録作品もいろいろかき集め、かなりたまっているのも、全集を買おうという踏ん切りがつかない理由かもしれません。

『「ガロ」版 鬼太郎夜話』についても、既存単行本未収録だった序盤は「鬼太郎の誕生」を含めて「ガロ」掲載分を入手済みなので、「今ほしい!」とはならないのですよ。

それにしてもこの全集は、京極氏をはじめスタッフが素晴らしい仕事をしています。「かゆいところ」どころか、臓物にまで手が届く勢い。比べたくはないのだが、手塚全集のグズグズさとどうしても比べてしまいます。

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全集の話はこれ位にして、今回の内容について。

今回は自伝の一環としての「海外旅行記」リスト。

完成してから4年も放置しているので、もういい加減放出しましょう。だいぶ放ってあるので、書誌情報などは古い点があるかもしれませんが、ご容赦ください。3回にわたって続きます。

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【 海外旅行記-1 】

1970年代以降、戦時中に駐留したニューブリテン島への度重なる再訪を中心に、世界中を飛び回って妖怪コレクションを増やしている水木サン。その海外旅行記も重要な自伝・伝記の一部、ということで旅行記のリストも挙げておきます。

なおここでリストアップしたのは、作品として発表されている旅だけで、実際の渡航数はもっとたくさんあります。

戦時中の移動(旅行とは言えませんが)については、【 戦時中 】のリストに入れた、ということで省略。トペトロ関連など、一部既出項目と重複があります。

戦後初渡航が49歳のとき。そしてその後海外渡航数はうなぎのぼりに増えていきます。還暦を越え、喜寿を越え、妖怪探索の旅は延々続きます。今のところ2006年83歳でのパプア・ニューギニアが最新の海外旅行となりますが、この先にも重要な妖怪探索旅行がないとも限らない、ような気もします。

それにしても旅行記の数もものすごい。まさかこんなにあるとは思いませんでした(毎度おなじみのフレーズ)。「旅行記界の巨人」という肩書きも新たに加わりそうです。

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◆総合

<海外渡航リスト>
平林重雄・編
「水木しげる冒険旅行一覧」
初出:まんだらけZENBU No.4(1999/09)特集・水木しげる
収録:単行本未収録
----1971年(49歳)~1999年(77歳)。おそらく年譜作成の基礎資料として作られたもの。水木サンのパスポートの出入国記録から水木プロでの聞き取りを含めて構成した渡航年譜。労作です。今回のエントリーでも一番参照した資料。

<短編エッセイ>
「アジアお化け紀行に驚く」
初出:書き下ろし
収録:三津田信三・編 『ワールド・ミステリー・ツアー13 (11) アジア篇』 同朋舎/角川書店(1999/12)
----パプア・ニューギニアのセピク川(1989/03&1995/10-注)、雲南(1996/09)、マレーシアのセノイ(1994/03)、台湾(1998/10)で妖怪・精霊・憑物の存在を感じた体験を語る。

(注)
日付については「1987/02&1994/07」とあるが、水木サンの勘違いと思われる。

<ミニ写真集>
「水木しげるの妖怪探索写真館」
初出:書き下ろし
収録:『「大(Oh!)水木しげる展」図録』 朝日新聞社(2004/04)
----バリ島(2002/01)、アイルランド(1990/03)、オーストラリア(1999/09)、カナダ(2001/10)、マレーシア・ボルネオ(1995/05)、マリ・ドゴン(1988/01~02)、ジャマイカ(1995/12)、富士山麓で撮りためた写真、の、ほんの一部を公開。

<長編旅行記>
荒俣宏
『水木しげると行く妖怪極楽探検隊』
初出:怪など各誌(1997~2003)+大幅に加筆
角川書店(2004/08)
----荒俣氏が水木サンと共にした旅を総括する。パプア・ニューギニア(1994/09)、イタリア~フランス(1997/05)、南イタリア(2003/09)、カナダ(2001/10)、バリ島(2002/01)、ジャマイカ(1995/12)、ドイツ・ブロッケン山(1999/04)。他に国内旅行記(広島・葦嶽山、鳥取・因幡)、対談、荒俣講演録など。
<関連エッセイ>
荒俣宏
「水木しげる大(おお)先生の妖怪探検」
初出:書き下ろし
収録:『「大(Oh!)水木しげる展」図録』 朝日新聞社(2004/04)

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◆1971年12月(49歳)
パプア・ニューギニア ニューブリテン島
----戦友二人と共にニューブリテン島の戦場跡を26年ぶりに再訪。トペトロたちとも再会。『昭和史』、『ゲゲゲの楽園』などには1970年12月とあるが、エッセイなどを考慮すると71年12月が正しいと思われる。

<短編マンガ>
「招かれた三人」
初出:COM(1971/12)
収録:
『水木しげる幻想と怪奇(7) 落第王』 朝日ソノラマ・サンコミックス(1981/09)
『水木しげる短編傑作集・不思議編 死女の手』 朝日ソノラマ・サンワイドコミックス(1985/07)
『水木しげる不思議な世界(3) 死神の招き』 講談社KCスペシャル(1987/03)
----実体験に基づく作品のように思えるが、もしかすると出発前にすでに書いておいた作品かも?。というのも、旅行が1971年12月なのに、雑誌発表が1971年12月号という点が謎。後半はフィクション。前半は蝶のエピソードを加えた上で、『昭和史』、『ゲゲゲの楽園』に転用されている。

<短編エッセイ>
「二十六年目の"基地"ラバウル」
初出:旅(1972/04)
収録:
『水木しげるのカランコロン』作品社(1995/09)
『なまけものになりたい』 河出文庫(2003/06)
----「去年・・・十二月中旬」とあり、これで旅行年月が71年12月と確定できる。トペトロとの再会にも触れる。

<短編エッセイ>
「ジャングルの味と再会」
初出:ビッグコミック(1972/10/25)
収録:『水木しげるのカランコロン』作品社(1995/09)
----この旅での食にまつわる話題を取り上げる。

<短編エッセイ>
「二十六年目の土人」
初出:蛍雪時代(1974/04)
収録:
『妖怪天国』 筑摩書房(1992/04)
『妖怪天国』 ちくま文庫(1996/07)

この他、「半生記」タイプの作品にはもれなくこの旅のエピソードが収録されている。

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◆1973年12月(51歳)
パプア・ニューギニア ニューブリテン島
----ニューブリテン島を戦後2度目の訪問。もちろんトペトロたちに会いに行ったもの。

<短編エッセイ>
「楽園にかえる 原始生活入門」
初出:終末からno.6(1974/04)
収録:
『水木しげるのカランコロン』作品社(1995/09)
『なまけものになりたい』 河出文庫(2003/06)
----トペトロたちの村に滞在した際の体験を語る。

<短編エッセイ+イラスト>
「ニューギニア 辺境ある記」
初出:漫画サンデー(1974/06/15)
収録:『水木しげるのカランコロン』 作品社(1995/09)

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◆1976年12月(54歳)
インド
----宮田雪に勧められてのインド旅行だったらしい。インド旅行は73年に続いて二度目。インドでの体験がマンガ作品にはあまり反映されていないのは残念。

<短編エッセイ>
「聖者がゴロゴロいたよ インドブラリ旅」
初出:漫画サンデー(1977/03/22)
収録:
『水木しげるのカランコロン』 作品社(1995/09)
『妖怪になりたい』 河出文庫(2003/05)

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◆1979年8月(57歳)
パプア・ニューギニア ニューブリテン島~ガダルカナル島
----ニューブリテン島へ戦後3度目の訪問。南方の島にも押し寄せる近代化で、変わりゆく人々の生活にだいぶショックを受けたよう。

<短編エッセイ>
「失われゆく楽園」
初出:朝日新聞(1979/10/01)
収録:
『妖怪天国』 筑摩書房(1992/04)
『妖怪天国』 ちくま文庫(1996/07)

<短編エッセイ>
「"楽園"はいずこに」
初出:時代(1979/12/05)
収録:
『水木しげるのカランコロン』作品社(1995/09)
『なまけものになりたい』 河出文庫(2003/06)

<短編エッセイ>
「わが心のニューブリテン島」
初出:世界画報(1980/07)
収録:
『水木しげるのカランコロン』作品社(1995/09)
『なまけものになりたい』 河出文庫(2003/06)

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◆1988年1~2月(65歳)
マリ
----TV番組の企画でアフリカ・マリ共和国、ドゴンの村を訪問。次女・悦子さん同行。

<TVドキュメンタリー>
「新世界紀行 水木しげるのアフリカ幻想 精霊と妖怪のふるさと」
TBSテレビ(1988/08/??)
----未見。

<短編マンガ>
「東西奇ッ怪紳士録 サンガ村のボロタハム氏」
初出:ビッグゴールド(1996/08)
収録:
『東西奇ッ怪紳士録(弐)』小学館ビッグコミックスゴールド(1997/12)
『東西奇ッ怪紳士録』 小学館文庫(2001/12)
----主人公は民族学者?の小島先生となっており、基本はフィクションだが、この旅行体験が大いに反映された作品。

<短編エッセイ>
「妖怪踊りの輪に加わった」
初出:朝日新聞(1998/07/30夕刊)
収録:『妖怪になりたい』 河出文庫(2003/05)

<短編エッセイ>
「精霊に会う旅」
初出:不明
収録:
『妖怪天国』 筑摩書房(1992/04)
『妖怪天国』 ちくま文庫(1996/07)

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◆1989年3月(67歳)
パプア・ニューギニア セピク川~ニューブリテン島
----TV番組の企画でセピク川を逆上る。ニューブリテン島にも立ち寄り、トペトロに自動車をプレゼント。

<TVドキュメンタリー>
「新世界紀行 不思議の島パプアニューギニア 水木しげるの妖怪紀行」
TBSテレビ(1989/06/04)
----未見。

<短編エッセイ>
「南の友」
初出:小説すばる(1989/秋季)
収録:
『妖怪天国』 筑摩書房(1992/04)
『妖怪天国』 ちくま文庫(1996/07)

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