2017年7月20日木曜日

平方イコルスン 『スペシャル 2』

2016年8月6日土曜日 平方イコルスン3連発

で紹介した平方イコルスンの1年ぶりの新刊が出ました。

・平方イコルスン (2017.7) 『スペシャル vol.02』(torch comica). 159pp. リイド社, 東京.
← 初出:トーチweb., 2015/11~2017/5.


装幀:名和田耕平デザイン事務所

------------------------------------------

相変わらずセリフ過多な、この人のマンガ。見よ、ページに充満する吹き出しの数を。


同書, p.118-119

でも、この人の他のマンガよりは字数が少ないし、コマ割りも大きめなので、まあ読みやすい方だ。

------------------------------------------

連載開始から3年、単行本2冊を経て、夏休み前から夏休みが終わったばかり、というスローペースな物語。

それでも2巻では、色恋沙汰を入れてくるなど、物語に進展があった・・・と言っていいのか?

よくわかんねえんだ、このマンガ、とにかく。

------------------------------------------

それにしても、作品の舞台、どの辺なんだろな?

前回「長野なんだろうか・・・」などと書いてしまったが、そんなわけありませんね。あれだけみんな関西弁なんだから。

とすると、奈良の山奥あたりか?

にしても、車走ってねえな、この町。今のところ先生の車しか見たことない。まあ、そもそも、背景を描くことにはあまり興味を示さない作家なのだが。

------------------------------------------

伊賀のヘルメットと怪力の秘密が、少しだけ明かされたのは、意外だった。これ、そういうマンガじゃないと思っていたのだが・・・。

それでも、この謎がそれ以上解き明かされるという保証はない。そのままあっさり完結してしまうかもしれないし。

------------------------------------------

主人公?扱いの「さよちゃん」にしても、2巻では母親が登場するのだが、これが、さよちゃんが一人で暮らすアパートに毎日通って来ているらしい、という謎っぷり。

父親は?という謎もあるし、なぜ夏休み直前という時期に、わざわざ田舎の高校に転校?

それに伊賀の母親は?というのも謎。

山奥に潜む「ロンギヌスの槍」とその監視カメラ、その槍に関係している、という伊賀の父親の職業とは?

こうして見ると謎だらけのマンガなんだが、いったい完結するまで解明されることがあるんだろうか?それ自体が謎のマンガ。

------------------------------------------

2巻の終わりでは、さよちゃんの過去の彼氏と、現在の色恋沙汰が物語の軸となっているのだが、それも上述の謎と関係あるんだろうか?

これだけばらまいてる布石を、回収する気があるのかどうかも全然わからない。何せ、この人長編は初なのだし・・・。

------------------------------------------

まあ物語の急展開など、このマンガに期待はしていないのだが、何か「あっ!」と驚く結末が来るのでもいいし、このままダラダラと続くだけであっさり終わるのでもいい。

でも全体に、なんとなく不穏な空気が入り込みつつあるのは間違いないですね。

さてどうなるのやら、よくわかんないながら、読み続けるであろうマンガです。

------------------------------------------

連載はこちら↓

・トーチweb(since 2014/08)
http://to-ti.in/

最近、更新ペースが落ち気味なのがちょっと気になる。単行本も、2巻は1巻より16ページも少ないし・・・。

0 件のコメント:

コメントを投稿