2017年11月20日月曜日 『原田ちあきの挙動不審日記』
で紹介した原田ちあきの新刊が出ました。
・原田ちあき (2018.4) 『誰にも見つからずに泣いてる君は優しい』. 205pp.+2pls. 大和書房, 東京.
ブックデザイン : 山下リサ
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すぐにヴィレッジヴァンガード(VV)に買いに行きましたよ。VVで買うと、おまけでdummy coverがついてくる。
本体を隠すためにかけても、かえって恥ずかしくなる、ふざけたカバー(笑)。
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ドギツイ配色の人なので、もう「表紙だけでダメ」ていう人も多いかもしれない。
今回はマンガではなく、イラスト+エッセイ集。この人は本来Pop Artの人なのだ。
前にも書いたように、絵には佐伯俊男、太田螢一、なんきん などの影響が見える。
そしてイラストになると、画面構成、粗いdot使い、原色ギラギラで、Andy Warhol、Roy Lichtenstein、横尾忠則あたりの仲間であることがわかる。
さっき思ったのだが、1960年代の前衛ギャグ・マンガ/アニメ作家・久里洋二あたりともちょっとセンスが近い。
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今回は、ここ数年描きためた「悪口シリーズ」の集大成。
大半はWEB上で発表済みのものだが、やっぱり紙媒体で手にすると格別だ。
ただし色はWEBで見た方が発色がいい。どっちかというと、WEB発表向きの人かもしれない。でも、現物見たことないから、わからんな。現物もいつか見てみよう。
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ここでは、WEBでは見たことなかったものを紹介してみよう。
同書, pp.22-23
サイコーですね。
主題の女の子は常に泣いている。そして恨みつらみを吐いている。主に失恋の恨みだ。泣いてもいるし、笑ってもいる、その微妙な表情が素晴らしい。
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最近では、Andy Warholが発見した「版ズラシ」の手法にも凝っているよう。勉強家だなあ。
同書, pp.74-75
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Scanして色調整をしているときに気づいたんだが、普通の図版の色調整なんて苦痛でしかないのだが、原田イラストの色調整は楽しい。
なんかハイになってくる。原色ばっかりで、気配りする要素が少ないせいもあるだろうけど。
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エッセイの方は、ほぼ自伝的な内容。文章はまだまだだけど、内容は面白い。特に、今のような原色ギトギトになったきっかけ話が、アホみたいにおもしろい。いったい何が幸いするかホントわからんもんだ。
生の感情をぶちまけたような内容も多いが、そこに怒りはない。怒りはイラストの方で発散させているから。だから、読んでいて不快感がないのだ。
うまい文章じゃないけど、マンガと一緒で、書いていくうちにどんどんうまくなりそう。たぶん文章でもイケルと思う。
そのうちに「原田ちあきの挙動不審人生相談」とかできそうだなー。
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「不器用・バカ」と自虐的な発言が多いけど、実は結構器用だし頭もいい人だ。なんでもできそう。もちろんTVもイケルぞ。
今は波が来てるから、その波に乗ってどんどん行けばいい。ただし、体にだけは気をつけてね。
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一般には、まだまだ「気持ち悪い」という評価が多いと思うけど、
同書, p.170(©タツノコプロ)
あたりからポピュラリティが広がりそう。これホントいい絵だし。
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