stod phyogs 2015年10月25日日曜日 金井たつおのミツカンマンガ-その1
からの移籍です。日付は初出と同じです。
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・本宮ひろ志・監修, 金井たつお・画, 和順高雄・シナリオ (2005)『七人の又左衛門 二百年の挑戦』. 227pp. ミツカングループ本社, 半田(愛知県).
というのを手に入れて・・・いません(笑)。某所より借りてきました。返さなきゃいけないんだけど、返すのが惜しいほど出来がいい!
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非売品ですが、これは売り物になります。というより、ちゃんと人の目に触れるようにしてほしい。
何より、227ページ単行本一冊を描き上げて、一切手抜きなしの仕事をしている金井たつおの力量を知ってほしい。
「本宮ひろ志・監修」となっていますが、まあ例によって何もしていないでしょう(笑)。金井たつお作品として読んでください。
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装丁はいわゆるコンビニ本。読めば読むほど、表紙の絵が擦り切れていく。もうちょっと丈夫な装丁にしてほしいのだが、非売品企業宣伝本なんてあんまり保存性を考えていないのかも。
この本は、国会図書館にすら所蔵がありません。半田市(ミツカン本社のある場所)の図書館にならあるかもしれないが・・・(追記2参照)。
「ネット上での評判はどうなんだろう?」と検索してみたが、なんと一切引っかかってこない!情報網が発達した現代で、これは珍しい。よほど発行部数が少なかったのだろうか?
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金井たつおは、本宮プロ出身。1977年に週刊少年ジャンプで『ホールインワン』でデビュー。代表作は同じくジャンプ連載の『いずみちゃんグラフィティー』など。
ウィキペディアによれば、「パンチラ描写をほぼ完成させた」と高く評価されていますが・・・。
確かにそうでした。金井の特徴としては、とにかく女の子がかわいいこと。そしてちょっとエッチな描写が多かったこと。といっても1970年代のジャンプですから、そこそこですが。
このミツカンマンガでも女性がきれい、かわいい!女性の出番はほとんどないので、無理矢理出している感は否めませんが・・・。かわいい女の子を描かない金井たつおなんて魅力半減ですからね、当然描きたいでしょう。
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本宮プロ出身にしてはちょっと線が細いかな、とも感じますが、当時ジャンプには本宮プロ関係者があふれていたので、差異を出すために意図的にそうしたのではないか、と推測します。
事実、このミツカンマンガでは骨太の線も多く見られ、やはり本宮プロだな、と思わせます。本宮プロの序列では、高橋よしひろの弟分くらいの位置づけでしょうか。
最近気づいたんですが、『ドーベルマン刑事』の平松伸二とは、思いのほか線が似ている。特に女の子。平松は本宮プロではなく、『アストロ球団』の中島徳博のところ出身だったはずだが、まあ当時この辺のマンガ家はみな、互いに影響を与えたり受けたりしていたのでしょう。
それにしても、私は特にジャンプ読者ではなかったんですけど、こうやって本宮プロ周辺の系譜がスラスラ出てくるあたり、恐るべしジャンプ文化!
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申し訳ないが、『いずみちゃんグラフィティー』以降の活動はほとんど私の目の届く範囲になく、全然知りません。
ウィキペディアによると、
おそらく数年のブランクもあったでしょうが、このミツカンマンガを見る限り、マンガ家としての力量は全く衰えていません。むしろ昔より構成力も上がっていて、地下でくすぶっている人のマンガではありません。
学習マンガや企業宣伝マンガでは、かつて活躍したマンガ家が執筆することが多いんですが、その中身を見ると力量の衰えぶりに悲しい思いをするケースがほとんど。
しかしこのミツカンマンガは違う。まさに油の乗り切った金井たつおの筆が堪能できます。実に、人の目にはほとんど触れないのが惜しい作品です。
というわけで、前置きが長くなりましたが、次回はその中身を見ましょう。ここでもちょっとだけ紹介。どうです、この迫力!そしてしっかりとした背景の描き込み!
参考 :
・ウィキペディア > 金井たつお(最終更新 2015年5月27日 (水) 01:32)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%91%E4%BA%95%E3%81%9F%E3%81%A4%E3%81%8A
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(追記1)@2015/10/29
ウィキペディアを鵜呑みにして失敗しました。金井たつおは1990年代も休むことなく活動しています(次エントリー参照)。
新作単行本が途絶えるのは2003~2006年と2010年以降。このミツカンマンガの発行年は、その空白期間にあたりますから、やはり貴重な作品であることに変わりはありません。
(追記2)@2015/10/30
・半田市 > 文化・スポーツ > 芸術・文化 > 図書館 > 半田市立図書館・亀崎図書館
http://www.city.handa.aichi.jp/tosho/bunka/gejutsu/toshokan/toshokan.html
で調べてみました。ない(笑)。
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