本エントリーは
stod phyogs 2016年3月11日金曜日 珪藻アートと「瘴気なき腐海」アート
からの移籍です。日付は初出と同じです。
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図書館で、とんでもない本を借りてきました。
奥修 (2015.12) 『珪藻美術館 Diatoms Art Museum』. 87pp. 旬報社,東京.
・旬報社 > 単行本 > 珪藻美術館 Diatoms Art Museum
http://www.junposha.com/catalog/product_info.php/products_id/1045
書影も上記サイトよりお借りしました。
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0.1mmに満たない微生物「珪藻」の殻を使ったマイクロアートの世界です。驚いた!
私は出自が地質学・古生物学ですので、有殻微生物・微化石の美しさは十分知っていたつもりでしたが、これらをアートとして使うという考えが全くなかった。脱帽。
その中でも珪藻の形、透過光の屈折は特に美しいこともわかっていたんですが、いやここまでやる人がいたとは・・・。
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作者の奥修さんは東京水産大学出身の博士。現在は珪藻標本の会社ミクロワールドサービスを経営されています。
・顕微鏡技術の向上に役立つ珪藻プレパラート MWS ミクロワールドサービス MicroWorldService
http://micro.sakura.ne.jp/mws/index.htm
絵も少しだけ紹介しときましょう。
この美しい配列が、プレパラートのわずか1~数mmの範囲に収められているのですから、驚く他ありません。気が遠くなる・・・。
「米粒写経」の伝統を持つ日本ならではのアートと言えるかも。
この次は、やはり美しい有殻微生物である、有孔虫や放散虫で組み立てた立体アートが出てくるのかもしれません(調べていないけど、もうあるか?)。二次元配列は、すでにこの奥さんがやっておられますが。
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お次は、珪藻アートを検索していたら引っかかってきた、やはり驚異的なアーティストRogan Brown。
・Rogan Brown – Paper Sculptures
http://roganbrown.com/home.html
こちらの素材は紙。紙を手仕事やレーザカッターで切り取り、生物を模した形状に作るアートです。しかし、その生物というのが、細胞、微生物、菌類というのだからただごとではない。
見てもらいましょう。こんなの。
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これも想像すると気が遠くなる手間と細かさ。とても信じられない。
人によっては「気持ち悪い、見たくもない」という人がいても不思議ではありませんが、私は好きです。
また、それらしくシャーレに入ってるあたりも「ようやるわ」という感じ。一種のBiomimetic Artと言えるかもしれません。
「風の谷のナウシカ」の「腐海」を思わせる造形ですが、色が白一色のせいか毒々しさを感じませんね。「瘴気なき腐海」といったところ。
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世の中には知られざる巨人がまだまだいるもんだ、と驚いてばかりの毎日です。
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