2017年1月8日日曜日

弥生美術館 『平田弘史展』

に行ってきました。



チラシからして圧倒されますね。

・弥生美術館・竹久夢二美術館 > 展覧会情報・開催中の展覧会 > 超絶入魂!時代劇画の神 平田弘史に刮目せよ!
http://www.yayoi-yumeji-museum.jp/yayoi/exhibition/now.html

会期 : 2017年1月3日(火)~3月26日(日)
開館時間 : 午前10時~午後5時
休館日 : 月曜日 ※ただし1/9・3/20(月祝)開館、翌1/10・3/21(火)休館
料金 : 一般900円/大・高生800円/中・小生400円

弥生美術館
〒113-0032 東京都文京区弥生2-4-3
Tel 03(3812)0012

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弥生美術館があるのは東京大学本郷キャンパスの裏手。こぢんまりとした可愛らしい美術館です。



入り口も懐かしの名画座のようでおもしろい。

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1~2階が平田展。各コーナーの題字を平田先生が書いておられます。ものすごい迫力で、最初から圧倒されます。

2階に平田先生が題字を書いた作品(マンガだけじゃなくてCDなども)が並んでいた。自作や大友克洋「AKIRA」の題字を平田先生が書いているのは知っていたが、他人の作品にもこんなにたくさん題字を提供しているとは思わなかった。あの迫力だもの、誰でも依頼したくなりますよね。

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最初の方は貸本時代。さすがに原稿はないが、今まで見たこともない貸本作品がズラリと並んでいて壮観。このあたりはいずれ復刻してほしい。描きかけのボツ原稿があった。これには下描きもあり大変貴重。

雑誌時代の作品になると、ほとんど単行本を持っている。おなじみの作品群の原稿なので、また感動もひとしお。

「おのれらに告ぐ」、「弓道士魂」、「薩摩義士伝」、「茶筅髪禁止令」、「首代引受人」などなど。「薩摩義士伝」の棺桶を担ぐ姿の原画には特に感動した。

情報量が多すぎる、という声も聞かれるが、それでいいのです。平田先生は何事もやり過ぎの人なのだから、展覧会もやり過ぎずににどうする!

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愛用のペンもあった。「劇画」ということで、平田先生は漠然とGペンを使っているのかな、と思い込んでいたが、カブラペンなのですね。

言われてみれば、平田先生の絵は豪胆な中にも流麗さ・繊細さがあり、なるほどGペンの線とは一味違う。勉強になった。

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会場内はほとんど撮影禁止なのだが、わずかにあった撮影コーナーがこちら。



暗かったのでなかなかうまく撮れないのだが、こんなブレブレの写真でも、平田絵の迫力は十分伝わるだろう。



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これは図録。書店で一般にも販売される。


カバーデザイン: 小川竜

・松本品子・編 (2016.12) 『鬼才!時代劇画家 平田弘史 その軌跡』. 127pp. ラピュータ, 東京.

編集は弥生美術館の学芸員の方。この展覧会の担当者。

奥さんや息子さんのインタビューもあり充実した内容。紙が厚いのでちょっと見にくいが、平田絵を再現するためにはこういう上質紙が必要だったのでしょう。

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現在は前期展示。2月14日から後期展示になり、展示替えがあるから、その時にまた行こう。皆さんも是非行ってみてください。

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2階の竹久夢二、3階の高畠華宵の展示も面白い。知らなかったのだが、ここはもともと高畠華宵作品のための美術館だったんですね。

初期の絵は高畠華宵の影響が強い、花輪和一先生の作品展も見たい(花輪先生から平田展を祝す色紙があった)。でも花輪先生は、北海道に引っ越す前に、古い作品の原画は全部捨てたらしいからなあ。展覧会は難しいかな。

2 件のコメント:

  1. 見たかったです。植木金矢は見ましたが、その後女流漫画家の原画展が続き、上野に行っても立ち寄りませんでした。 チェックしてればよかった。剛夕、白土、さいとうが次々こうせんに赴き寂しいことです

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  2. 返信遅くなってすみません。絵はもちろんのこと、書もすごい迫力でした。本文に挙げた図録は今も入手可能ですから、ぜひ。平田ブームは定期的に来るので、ご遺族が落ち着いた頃、またそろそろ展覧会があると思います。

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