新刊といってももう1ヶ月たってしまったが・・・。
『スキップ倶楽部』の方は1巻を紹介してないので、合わせて紹介しよう。
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なお、桑田乃梨子についてのエントリーは、
2017年2月28日火曜日 ○○界の巨匠 桑田乃梨子の新刊 『明日も未解決』
以来になるので、約1年ぶりの登場。
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・桑田乃梨子 (2016.1) 『スキップ倶楽部1』(WINGS COMICS). 190pp. 新書館, 東京.
・桑田乃梨子 (2017.12) 『スキップ倶楽部2』(WINGS COMICS). 223pp. 新書館, 東京.
← 初出 : ウェブマガジン・ウィングス, 2013年12月号~2017年7月号.
2巻に3年半かけるとこなぞ、相変わらずのダラダラっぷりだが、もうすっかり慣れているので、平気。
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主人公は、小柄で明るい天然少年(高1)・春名密(ハル君)。最近、主人公にこのタイプ多いような・・・。しかし、そんなハル君にも、それなりに悩みは多いらしい。
舞台は入学したばかりの高校なんだが、それも「家庭科部」の部室ばかり。それとバイト先の喫茶店。これがほとんどすべてだ。
家庭科部の笹沢先輩と、何かと突っかかってくる謎のマルちゃん先輩。そして謎の校内ネコ・八矢(はちや)くんとのやりとりを中心に物語が進む。
女性陣は、中学から一緒の頼田さん(ヨリちゃん)、近所の女子高・コス女のマドンナで喫茶店の常連・舞風薫。薫の友人は、旧作 『箱庭コスモス』の登場人物たちだ。この子ら結構おもしろい。
あとは、ハル君の同級生・喜多(きた)と三波(みなみ)(笑)、喫茶店の店長(家庭科部OG)。これで全員。
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自分に自信が持てないハル君の悩みを中心に、マルちゃん先輩の謎、八矢くんの謎、マドンナへのあこがれ、あたりを軸にストーリーが展開される。
登場人物が少ないので、ワイワイ感は控えめ。終始静かに物語が進む。にぎやかな薫の友人が出てくると、楽しい展開になる。
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ちょっとファンタジーと心霊も入った話だけど、少し苦しい設定だったかもしれないなあ。きれいすぎるほどきれいに終わった前作『明日も未解決』にくらべると、結末もちょっと物足りない。
最近、こういう静かな展開が増えてきて、桑田先生も大人になったんだなあ、と思うが、それでも相変わらず高校生(それも学ラン、で女子のスカートも長い、ケータイすら出ていない)マンガばっかり描いているのが、この人の特徴。今後も「高校生マンガ」一筋で行ってほしい。
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登場人物では、何かとハル君の面倒を見てくれる、明るいヨリちゃんがすごく魅力的なのだが、脇役の域を出なかったのがちょっと残念。今後幸せになってほしい。
同書1巻, pp.102-103
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お次は、もう連載17年になる「だめっこどうぶつ」最新刊。
・桑田乃梨子 (2017.12) 『だめっこどうぶつ8』(BAMBOO COMICS). 105pp. 竹書房, 東京.
← 初出 : まんがライフ, 2014年11月号~2016年5月号.
cover design : Shinya Isozaki(ISO DESIGN WORKS)
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少し間が開いたが、装丁も変わっての第8巻。まだ1年半分もストックがあるようなので、今年中には第9巻も出るだろう。
なんか登場人物がインフレ状態で増えていて、前の巻を読み返さないとわかんない人(じゃないんだけど)が多い。
うる野(オオカミ)の兄弟まで出てきて、収拾つくのかな?大丈夫かな?にぎやかでいいけど。
個人的には、ちーちゃん(チーター)の出番が少なくてちょっと寂しい。このちーちゃんは「完全天然娘」という、桑田マンガでは大変珍しいキャラなので、貴重なだけにもっと見たいのだ。
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愛猫にょろり没後2年たつが、なんかまだそのショックを引きずって、静かな作品が多いような気が・・・。また、ワイワイしたマンガを描いてほしいぞ。
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