・石黒正数 (2017.2) 『それでも町は廻っている 16』(YKコミックス/少年画報社コミックス003). 194pp. 少年画報社, 東京.
・九井諒子 (2017.2) 『ダンジョン飯 4』(BEAM COMIX). 191pp. 角川書店, 東京.
装丁 : 須田杏菜
の2冊が発売されました。
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両書とも・・・・素晴らしい!
日本に生まれて、マンガが読めて、ホントに幸せだ!と思える2冊です。
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『それ町 16』の方は、最終巻。どのエピソードも完結へ向けて、丁寧に作ってあります。
同書, p.74
第125話「紺先輩スペシャル」は、文字通り、紺先輩をフィーチャーした最後のエピソードなので、表紙にも一際力が入ってる。美しい。ちょっと江口寿史っぽいが。
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同書, 裏見返し
この作品は、主人公・歩鳥の高校3年間の時間をランダムに取り上げた作品なので、どこから読んでもOK。だから、最終巻からいきなり読み始めても大丈夫だ。
ここから、前の巻をどんどん掘っていきたくなるはずだ。
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『ダンジョン飯 4』は、ついにクライマックス、炎竜(レッドドラゴン)との対決と、ファリンの救出だ。
炎竜との対決の描写が多く、魔物食うんちくが少ないのが残念だが、アクション面での九井諒子の才能が炸裂する。別の意味で大満足だ。
それにしてもどんだけ才能あるんだ、この人は!恐ろしいほど、おもしろい!
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これで終わってもよさそうなのだが、これだけの人気作、出版社は完結を許さないだろう。まだ続きそうな巻末。
しかし、この人は職人肌、というか、むしろ技術屋。モティベーションが落ちたら、そんなに続かないだろう。あと1冊(ファリンが表紙)で終わり、と見た。
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石黒正数、九井諒子、二人とも、勢いで書き飛ばすタイプではなく、じっくり設定を作って丁寧な作り方をする作家。理系マンガ家ですね。
こういう濃厚なマンガを続々と送り出してくれる日本の出版社は、やっぱりスゴイ。
これまで週刊誌ベースでの作品が注目されることの多いマンガ界だが、マンガ作品という形態は、月刊ベース位でないと、質の高い作品をコンスタントに送り出し続けるのはむずかしいのではないだろうか。
それを昔から実践しているのは女性向けマンガの世界。男性向けマンガもそろそろ転換を図る時期なのではないだろうか、という気がする。
とにかく、書き飛ばしでない、丁寧な作品をたくさん読みたい。
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石黒正数も九井諒子も、全単行本揃っているので、どちらも近いうちにドカンと取り上げましょう。
とにかく、今読むべきこの2冊!
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