2022年3月15日火曜日

麻生みこと 『大正ロマンポルノ』 - あいかわらずストーリー展開うまいなあ

★Twitter 2020/11/15-16より転載+加筆修正★

麻生みこと (2020.9) 『大正ロマンポルノ』 (HC Special). 157pp. 白泉社.
← 初出 : 「大正ロマンポルノ」 メロディ, 2020.4-.8/「徒花」 メロディ, 2014.6

この人のストーリー展開はうまい!うますぎる。例によって、すぐにでも映像化できそうなつくりだ。といっても、この他は 『アレンとドラン』 しか読んでないのだが。

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お話は三幕構成。大正時代の盲目の遊女・絹子と客・信さんの悲恋の物語。これが第一幕。その最後のページ「なんだこの・・・」で、物語は急展開する。これ以上は読んでちょうだい。

第二幕・最終幕は物語がグイグイ進み、最後カタルシスのあるエンディング。クライマックスでのノープランの応酬は、即興もの好きにはたまらん展開。笑った。

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最近のマンガらしく、背景もテキトーだしマンガとしての完成度はそれほど高くないのだが、「この人はストーリーの人」と、もう納得してるので気にならない。併録の「徒花」は6年前の作品と古いのだが、絵が全然変わってないので違和感なし。

157ページと、最近のマンガらしくわりとページ数少ないんだが、厚いけど柔らかい紙を使っているのですぐにはわからない。中身も密度が濃いので、「なんか、やたら早く読めたなあ」と思ってようやく気づくくらい。さすがだなあ。中も外もプロの仕事にヤラレタ!

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しかし、カヲル子さんが出てくる展開、1986年の 映画 『十手舞』 (の裏話) と似てるかも。監督・五社英雄、主演・石原真理子、助演・夏木マリ。

なんだが、石原真理子が全然やる気なく、脇役の夏木マリが主役を食っちゃう。ついにはダブル主演扱いになって、ポスターにも夏木マリがデカデカと出てた、という。

なんかそれ思い出した。いや、その映画見たことないんだけど、今は亡き映画秘宝からのネタ拾いでした。 「呼んだかい?」「スパン」、たまらんw。

この『十手舞』の顛末が載ってるのは、

(1996.10) 映画秘宝 『底抜け超大作』 (洋泉社MOOK). 247pp.

でした。

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