★Twitter 2020/11/09-10より転載+加筆修正★
さくらももこ (2017.9) 『ちびしかくちゃん 1』 (りぼんマスコットコミックス). 156pp. 集英社.
← 初出 : グランドジャンプ, 2015/no.17~2017/no.16/グランドジャンプPREMIUM, 2017/1月号.
さくらももこ (2018.12) 『ちびしかくちゃん 2』 (りぼんマスコットコミックス). 75pp. 集英社.
← 初出 : グランドジャンプ, 2018/no.3~15
2018年に急逝した さくらももこ の遺作。「Dark Side of さくらももこ」炸裂!「ちびまる子ちゃん」のセルフパロディで、「まる子」の登場人物が少しだけ(ダークに)変形して出てくるパラレル・ワールド。「まる子」は「しか子」に。
一番の違いは、「たまちゃん」が「だまちゃん」となり、正反対の性格として登場。率先してしか子をいじめてくる。「まる子」では、たまちゃんが救いとなっていたが、それがこちらの世界では正反対になるのだから、しか子は全く逃げ場がなくなっている。
まる子ファンの中には、「読むに耐えない」と投げ捨てる人がいても仕方ない。タツオ君だのブ太だの、「しかくちゃん」独自キャラの扱いもひどいしね。しかし終始物語を動かしているのは、だまちゃんなんだな。
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さくらももこはガロ・マニアだから、こういうダークサイドを素養として元々持ってるのだ。花輪くん=花輪和一、丸尾くん=丸尾末広、みぎわさん=みぎわパン、と名前のモデルはガロ系マンガ家なのは有名だし。「ガロ系マンガへのあこがれ」と言ってもいいかもしれない。
だから時々こういう毒出しが必要になる。「永沢くん」シリーズではちょっと毒が出てたけど。この作品は「ねこぢる」と芸風がちょっと近い気がする。
「まる子」で大ヒットの人気マンガ家である自分と、一歩間違っていたら、ビンボーなままガロとかアックスで暗くてわけのわからんマンガを描いていたかもしれない自分のパラレル・ワールドを、こういう形で表現しているのかも。
その毒出しはうまくいったんだろうか?もっともっと下らないことやりたかったろうな。2巻の付録でも「GJ8マン(郡上八幡)」とか、おもしろいんだか、すべってるんだか、よくわからないことやってたし。この辺は「べつやくれい」と芸風が被る。いまさらながら、ご冥福をお祈りいたします。
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追記:
GJ8マン、ちゃんと展開してるんだな!意外だった。なんといっても「頼まれてもいないのに勝手に作った」というあたりがサイコーだ。
さくらももこ 新作地方まんが GJ8マン
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